入ってはいけない会社(9)~就労環境が整わないままの外国人雇用
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ニュースや新聞などでたびたび取り上げられる、外国人労働者の不法就労問題。
外国人が働くためには、出入国管理および難民認定法に則った就労可能な在留資格が必要となります。また、雇用側は外国人雇用状況を厚生労働大臣(ハローワーク)に届け出るよう義務付けられています。これらに反する違法就労について、警察が厳しく取り締まっています。
一方で近年、人材不足解消のために外国人労働者の雇用促進が図られています。2016年10月末の外国人労働者数は108万3,000人(前年比19.3%増)で、2007年に届出が義務化されて以来、過去最高となっています。福岡県で見ると、外国人労働者数は31,541人(前年比19.8%増)、雇入事業所数は5,640カ所(前年比18.6%増)。労働者、事業所ともに2007年以降最多となっています。外国人労働者、受入れ事業所ともに今後ますます増加していくと見られます。
とは言え、外国人労働者は文化や価値観などの違いから、仕事への取り組み方も日本人とは異なる面があります。いくら不法でない雇用契約を結ぶことができていても、きちんと外国人を受け入れる社内環境や教育体制を取れていなければ、社内に混乱を生み出しかねません。
こういった事態を防ぐために、厚労省や各地方労働局などでは外国人労働者の受入れに関する講習会など実施しています。外国人労働者の受入れをしている、というとグローバルな視点をもつ企業のように聞こえますが、すべてがそうだとは限りません。また、たびたびニュースになるような外国人に過重労働を強いる企業ばかりでもありません。
法律を正しく理解せずに雇用し、ひとたび違法となれば、企業のイメージダウンにつながり、大きな損失となります。また、外国人労働者を受け入れる風土がなければ、せっかく雇った人材も定着せず、受け入れ前に構築していた社内体制まで崩壊してしまう恐れがあります。
経営者と人事・総務担当者が正しく就労法を理解し、社内体制を整備できているか否かが肝心なのです。(つづく)
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