ついに捉えた!謎のトラックの真相~「世界のクボタ、九州の農業を運送で支える老舗企業」
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(株)吉福運送
皆さんは、(株)吉福運送をご存知だろうか?それでは「敬客愛品」と書かれたトラックはどうだろう。車を運転する方なら、何度か目にしたことがあるはずだ。
私が知人らに、同じ話題を振ると「知ってる、知ってる。中国からの物資を運んでるんじゃない?」「よく、走ってるのは見かけるけど。停まってるところは見たことがない」「そういえば子どものころから走ってるよね」などなど意外にも反響が多いことに驚いた。
まるで、都市伝説のようだ!ということで、早速調査を開始した。
今回、「敬客愛品」と書かれたトラックを所有する(株)吉福運送に突撃取材を敢行し、「トラックは有名なのに、何を運んでいるのか知られていない」という疑問をぶつけてみた。
取材に快く応じていただいたのは、代表取締役会長・永利英巳氏、代表取締役社長・吉福史諒氏という経営トップのお二方だった。
少々、恐縮しながらも両氏に対し「ズバリ、何を運んでいるのですか?」と尋ねると、笑顔で、「クボタです。クボタの農機具を山口県と沖縄を除く九州全域に運んでいます」と答えてくれた。
――トラックに赤い文字でペイントされた「敬客愛品」とは?何を表しているのですか。
「敬客愛品」とは1954年の創業時からの弊社のモットーで、創業社長が西郷隆盛の座右の銘でもある「敬天愛人」を弊社になぞらえて「お客さまを敬い、運ぶ品を愛する」との思いをあらわした言葉です。
クボタ工場より、博多港に海運されてきたさまざまな農機具を山口・九州一円のディーラーへ運送するのが弊社の役割です。運んでいる品は、車で表すと新車ですから当然、傷などがつかないように細心の注意をはらい輸送しています。また長い間、この事業に専念していますので「敬客愛品」と書かれた弊社のトラックを幼いころからご存知なのでしょうね。ということ。すべての謎は直ぐに解き明かされた。
日本の農業とともに歩んだ65年
創業後、わずか2年で(株)クボタの専任運送会社に選ばれた同社。オイルショックもバブル崩壊もリーマン・ショックもともに歩んできた、その功績を称え、2016年に世界のクボタより「永年取引」の感謝状の寄贈を受ける程の評価を受けている。
四代目社長である現会長の永利英巳氏に、その努力と苦労を尋ねた。永利会長は「努力するのは当然のことで別に苦労などありませんよ」と笑いながら答えてくれた。
続けて永利会長は「農産業も時代とともに変化し続けています、クボタが耕うん機の製造販売を始めたのが1947年、それまでは人が田畑を耕していました。農機具の無人化は目前でしょう。
大型ドローンによる輸送も近い将来可能になると考えています。弊社は、時代背景や道具が移り変わっても「敬客愛品」の精神で運び続けるだけです」と答えてくれた。
将来を見据えた、世界戦略も
弊社は運送屋です、農機具を開発しているワケでも、製造しても居ません。運送業者として、さまざまなニーズやオーダーに的確に応えられるようにチャレンジを続けています。と答えてくれたのは、五代目で現代表の吉福社長。
今後、物流のボーダレス化はますます進みます、弊社では国内から海外へ、海外から国内へ脈々と流れる貨物の動きを、よりスムーズにお客さまに提供できるように国際物流事業も行っています。たとえば、輸出入に必要な通関業務や保税倉庫業務など、これから海外に輸出をお考えの方々や、海外からの商品の輸入を検討している販売店様からのニーズへのソリューションを行っています。
時代背景や文化やツールが変わろうとも、弊社にはその変化に寄り添い継続してきた65年の実績があります。弊社の理念を、創業時から守り続け、時代の変化に対応する知恵と困難にも揺るがない信念を社員一同、家族のように共有しています。その知恵と信念と実績に対する信用が、弊社の将来へのチャレンジを後押ししてくれています。
人材難といわれるなかで
あらゆる企業が頭を抱える問題が人材確保である。売り手市場と呼ばれる採用状況が長らく続く中で、中小企業の「人手不足倒産」も増加傾向にある。その点について吉福社長に訊ねてみた。
確かに弊社でも、人手不足は深刻な問題です。とくにドライバーの人材確保は急務と捉えています。安全な運送、運行、現在の社員の健康などを守る為にも随時募集しています、年齢や職歴は問いません。
運送業も劇的に変革しています、弊社は創業時より生涯雇用を守っています。いま、弊社が欲しいのはともに創業100年を目指していただける人材です。弊社は皆さまのおかげで創業65年を迎えることができました。感謝に堪えません、ありがとうございます。
私は、現在26歳、弊社が創業100年を迎える年には、61歳。私には未来ではなく将来として、とても現実的な目標です。
敬客愛品の会社理念を、支える社員と環境
突然の取材にも関わらず、フランクに対応していただいた永利会長と吉福社長に、社内を案内していただいた。そこには、出荷を待つクボタの農機具が整然と並んでおり壮観でもあった。
壮大な屋内倉庫には、トラクターやコンバイン、家庭用農機具が、所狭しと並んでおり、出荷ヤードでは、フォークリフトやトラックが音楽を奏でるように動き回り、作業が進んでいる。
通常、新車などは屋外のモータープールで保管するものだが屋内倉庫で、大型農機具を保管するのも吉福運送の品質基準との事。
作業する社員に声を掛け、勤務環境の実態を訊ねた!
対応していただいたほとんどの社員が中途採用であるが、同社に入社してからの勤続年数は長い。
社員一同、口にするのは「社内の雰囲気が良く、働きやすい」「子どもの行事などで休暇をいただけた」「育児休暇を2回もとらせてくれた」「さまざまな、資格を取得することができた」など福利厚生の充実に対する評価が高い。
吉福社長の「弊社は創業時より生涯雇用を守っています。」との自信に溢れた言葉が頭をよぎる。古き良き昭和の企業体質と、百年企業を目指す平成生まれの吉福社長。
昭和時代と平成時代の融合は令和の時代で、どのような化学反応を起こすのであろう。
「敬客愛品」の文字を背負うトラックは、今後が楽しみな企業であった。
【相崎 正和】
「生涯雇用」をご希望の方は、一度同社に連絡を入れてみてはいかがだろう。人材は随時募集しており、社内見学も可能とのことだ。
<COMPANY INFORMATION>
社 名:(株) 吉福運送
代 表:吉福 史諒
所在地:福岡県古賀市青柳2866-1
設 立:1970年
資本金:2,000万円
TEL :092-942-5875
URL :https://www.yoshifuku-unsou.co.jp/法人名
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