「現在、政権を取っている人たちこそ反社勢力」と山本太郎氏~日米FTAの再交渉期す
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れいわ新選組の山本太郎代表は10日、群馬県・JR高崎駅前で街頭記者会見を開き、臨時国会での日米貿易協定承認を「まさに国家の切り売り。売国」と批判するとともに、有権者買収や公文書改ざんを引き合いに「現在、政権を取っている人間たちこそが反社勢力」とやゆし、政権交代が実現したら再交渉を行う考えを示した。
会見に参加した女性が、食の安全と農業を心配する立場から日米貿易協定に対する見解を求めた。山本氏は「もともとはTPP(環太平洋経済連携協定)で、貿易における障壁をなくそうという考え方。自民党は野党時代、絶対反対と言ってた」と切り出した。
2010年の菅直人政権のTPP参加方針に対し、「TPP参加の即時撤回を求める会」をつくって対抗した経緯を紹介。92人からスタートして、政権奪取直後の2013年2月には、前自民党議員378人中、236人に達していた。
稲田朋美衆院議員は産経新聞で「TPPバスの終着駅は日本文明の墓場」と糾弾し、江藤拓衆院議員はISD(投資家対国家紛争解決)条項を「受益者が外資だったら、お話にならない」と問題視していた。しかし、採決では賛成する。その後米国が抜け、直接交渉することに。
「直でやったらめちゃくちゃに食われるだろう。だって、今まで断ったことあったっけ、アメリカに」
山本氏は日米地位協定が改定できない現実を挙げ、「はっきり言ったら、植民地みたいな状態。にもかかわらず、アメリカとの交渉でウイン・ウインですと言われているのがこの日米FTA」と述べ、日米貿易協定における政府のうそを列挙した。
「米国は自動車関税の撤廃を約束したというが、してない。まあ、先々話していこうやという話。米国からの牛肉輸入はTPP合意内としていたが、TPP超え。コメや乳製品は勝ち取ったというが、先送りされただけ。自動車のために農業を差し出し続けないと言っていたが、差し出し続けることに。日米協定はウイン・ウインと発表したが、日本は失っただけ」
農産品の関税撤廃率は日本72%に対し、米国1%に終わった。米国議会向けの説明文書には、今回の物品貿易とデジタル貿易のほか、さらに20項目の交渉が控える。
一方、野党側についても「衆議院で戦わなかった。参考人質疑も行っていない」と国会対応に疑問を呈した。来年1月1日の発効を遅らせるために体を張り、ピケを張るべきだったとの見方をした。
協定案は参院が議決しなくても、30日経てば自然承認された。2閣僚の辞任で審議時間がずれ込み、会期末までの成立が危ぶまれていた。それにもかかわらず、野党側は「桜を見る会」の追及に明け暮れ、交渉に関する資料提出もないままわずか11時間の審議で採決に応じた。
山本氏は「戦術の問題なのか。有権者買収のほうが話が簡単だから。理解はできるが、これ(日米貿易協定)を差し上げたら、駄目だろう。日本国内の産業を守らなくてどうするんだ。まさに国家の切り売り。売国」と喝破した。
「桜を見る会」を通じた有権者買収のほかにも、森友学園・加計学園の両疑惑を隠ぺいするための公文書改ざんや意図的な紛失、前年比1.4%となった2018年の賃金伸び率の根拠となる8年分の毎月勤労統計データの廃棄などを挙げ、「現在、政権を取っている人間たちこそが反社勢力」とやゆした。
そのうえで、山本氏はTPPや事実上の日米FTAについて、「政権交代していく中で、そのような反社会的勢力が権力をもって約束してしまったことに関して、もう1度話し合いをするなかで取り戻すしかない」と述べ、政権奪取後に再交渉を行う考えを示した。
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