8月豪雨、「ダムなければ氾濫危険水位を超過」~九地整
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国土交通省九州地方整備局はこのほど、8月11日から19日ごろまでの大雨にともなう管内の治水事業の効果について取りまとめ、公表した。
筑後川水系の松原・下筌ダムでは2,600万m3の洪水をため込んだほか、12日の豪雨においてダム下流への水量を最大時で約8割低減する効果を発揮したといい、ダム整備がなければ下流(小渕地点)では氾濫危険水位を超過していたと推定した。
同水系の砂防事業・乙石川遊砂地では大量の土砂が流出したが、「平成29年7月九州北部豪雨」から実施していた応急対策工が土砂を補足し、下流への土砂流出を抑え、洪水氾濫被害を抑制したという。今回流出した土砂は9,000m3。2018年7月の出水時以降、累計5万5,000m3の土砂が補足されたことになる。
山国川水系の耶馬渓ダムでは136万m3の水をため込み、同じく12日にダム下流へ流す水量を最大時で約4割低減。ダム整備がなければ、下流(柿坂地点)では氾濫危険水位を超過していたと推定した。
松浦川水系の厳木ダムでは21万m3の水をため込み、14日にダム下流へ流す水量を最大時で半減。ダム整備がなければ、下流(中島橋地点)では氾濫危険水位を超過していたと推定した。
佐賀県神埼市の日出来橋地点では、氾濫危険水位を長時間にわたって超過したが、建設が進められている筑後川水系の城原川ダムが完成していれば、最大122万m3をため込むことで、これを防げたと推定した。
六角川水系の河川改修については浸水戸数3,235戸の内水被害が発生したが、堤防決壊を回避し被害軽減に寄与したと考えられると報告。今後も流域治水を重点的に進めていく方針としている。
【永上 隼人】
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