2024年11月25日( 月 )

ファミマ、PB「お母さん食堂」廃止し、「ファミマル」に刷新~その是非をめぐり、ネットは大炎上(3)

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 (株)ファミリーマートは、自主企画のプライベートブランド(PB)「お母さん食堂」などを廃止し、「ファミマル」に刷新する。その是非をめぐり、ネットは大炎上。テレビはワイドショーで特集を組むほどの騒ぎになった。ファミマブランド再生のためにスカウトされた、足立光最高マーケティング責任者(CMO)にとって、想定外の出来事だったようだ。

足立氏が指摘するファミマの「3つの課題」

 3月24日、鳴り物入りでファミマの初代CMOに就任した足立光氏が、報道陣の前に姿を現した。経済専門メディア「東洋経済オンライン」(21年4月4日付)は『ファミマが「マック回復の立役者」に託す改革』と題して、足立氏が唱えるファミマの3つの課題をレポートした。

 〈1つ目は新商品への偏重だ。ファミマではこれまで新商品を発売するとなると、それを並べるため棚に占める定番品の割合を大きく減らしていた。が、「いつ来ても好きな定番がある」状態にしておく必要があると足立氏は考えた。〉

 〈2つ目は情報発信の不十分さ。足立氏はファミマを「巨大メディア」と位置づける。1日1600万人の顧客が足を運ぶ全国の店舗は、新製品などの情報を発信する媒体として有効だ。ところが、これまで発信する情報が多すぎた。結果、商品を十分にアピールできず認知度は薄いままで、売り上げにつながらないことも多かった。〉

 〈3つ目は、マニュアル的な商品発注。売れ筋商品は、店舗の立地や客層などの組み合わせで大きく異なる。だが、ファミマでは強化すべき商品分野を店舗ごとに打ち出せていなかった。(中略)今後は発注の自動化などを進めて、その店舗における売れ筋商品を高い精度で発注できるようにしていく。〉

足立改革の第一弾「クリスピーチキン」が欠品

ファミリーマート イメージ ファミマは3月2日、創立40周年のチャレンジ「40のいいこと!?」の第1弾商品として、「ファミチキ越えの問題児」をキャッチフレーズに掲げて、「クリスピーチキン」を発売した。カリッとした食感が楽しめるフライドチキンで、新たな定番商品を目指した。

 「クリスピーチキン」は足立氏が3つの改善策を施した新商品。発売開始2日間で200万個を販売する大ヒットとなり、看板商品の「ファミチキ」を抜いて1位を記録した。いかにもマーケティングのプロらしい鮮やかな仕事ぶりだ。

 ところが、新商品の発売から10日間で販売を順次休止。テレビCMは流れているのに、店頭では欠品が生じたのだ。ファミマは「これまでの商品と比較して、店頭やSNSなどで大々的な告知を行った結果、販売が好調に推移し、販売を休止した」と苦しい弁明をしていた。

 40周年記念という大型案件は、商品部とマーケティング部と店舗運営部が事前に密な連携をして販売数を予測して商品在庫を確保するため、欠品になることはまずない。

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 今回の欠品はコンビニ運営で一番大事な本部内のコミュニケーション不足が主因だと思われる。マスコミからは、話題性を高めるために意図的に欠品にした”品薄商法”では、と勘ぐられるありさま。足立氏の第1弾「クリスピーチキン」は欠品というミソをつけてしまった。

(つづく)

【森村 和男】

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