シェアリング・エコノミーの先駆者 社員1⼈ひとりが活躍する会社へ
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(株)ニシケン 代表取締役社長 田中 誠一 氏
資産を共有、有効活⽤
(株)ニシケンの⽥中誠⼀代表取締役社⻑によると、「現時点では、日本で使用されている建設機械の6~7割がレンタルとされている(建設機械レンタル年鑑2021年版より)」、とのこと。建設会社としても、需要に応じて借りる⽅がコストやメンテナンスの負担を減らせるというメリットがある。
資産をシェアリングし、効率的に活⽤する建設機械レンタル事業はSDGsそのものといえるが、その業界において九州を代表する企業が久留⽶市に本社を置く(株)ニシケンなのだ。建設機械のみならず、福祉用具のレンタル事業でも存在感を⽰している。
⽥中⽒の前職は銀⾏員。⾦融業とレンタル業は⼀⾒⼤きく違うように⾒えるが、⽥中⽒は「⾦融業はお⾦を貸し、利息をいただく。レンタル業は機械等を貸し、レンタル料をいただく。どちらも資産を貸し出す点でよく似ており、一気に身近なものとなった。」としたうえで、「レンタル業界はシェアリング・エコノミーとして今の時代に合っており、非常に⼤きなポテンシャルを感じている。」と語る。SDGsと⼤上段に構えて何かを実施する具体的な計画はないが、レンタル事業そのものがSDGsであり、その意味では従来取り組んできたことであって、今後も事業をしっかりと継続・発展することで社会貢献を果たしたいと語る。
社員500名と「1on1」雑談
ICT化が進む建設機械の価格上昇などを背景に、建設機械レンタル業界は⼤⼿への収斂が進むと⾒られている。ニシケンも2016年、広域⼤⼿の(株)カナモトの傘下に⼊ることを決断した。昨年1⽉に社⻑に就任した⽥中⽒は、業界と会社の将来を⾒据え、ボトムアップ型の組織へと変えようとしている。同3⽉から社員1⼈ひとりとの約30分の雑談(社内では面談ではなく雑談と表現)を始めた。社員500名超という規模の会社で社⻑が社員全員と個⼈雑談を⾏うのは極めて異例だが、1年かけて達成した。「経営者にとっては修業のようなものですが、現場の声を丁寧に聞いていくことで⾒えてきたものが沢山あり、それを経営に活かしていきたい。」と感じている。
⼈事評価において、「納得感のある評価」を目指し「360度評価」を導⼊した。上司と部下が双⽅向に評価を⾏うというもので、社内では⼾惑いもあったようだが、⽥中社⻑のリーダーシップで導⼊した。業績評価も個々評価に加えて新たに組織評価も導入しており、社内の各組織をより有機的に機能させることが狙いだ。
教育においては、カナモトと共同で実施しているカリキュラムに加えて、ボトムアップを促す為のカリキュラム導入を検討中。これらはすべて、社員1⼈ひとりが積極的に意⾒を出すとともに、それらがより反映される会社組織へと変貌を遂げることを目的としている。1⼈ひとりが活躍でき、評価され⾃⼰肯定感を感じる会社へ、ニシケンの挑戦は続く。
<COMPANY INFORMATION>
代 表︓⽥中 誠⼀
所在地︓福岡県久留⽶市宮ノ陣町若松1-9
設 ⽴:1960年11⽉
資本⾦:10億4,903万円
TEL:0942-35-5840
URL:https://www.r-nishiken.co.jp
<プロフィール>
田中 誠一(たなか せいいち)
1966年、福岡県⼤野城市出身。九州⼤学⼤学院⼯学研究科修⼠課程修了。92年、⽇本興業銀⾏(現・みずほ銀⾏)⼊⾏。2017年、みずほ銀⾏国際為替部副部⻑。19年6⽉、(株)カナモト社⻑付顧
問を経て、20年1⽉に(株)ニシケン代表取締役社⻑に就任。関連キーワード
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