2024年12月22日( 日 )

フィットネスジムとの提携で、さらなる地域の健康増進に貢献

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医療法人周友会徳山病院 理事長
高山 成吉 氏

地域中核病院×フィットネスジム

 山口県周南市の医療法人周友会「徳山病院」が2021年12月1日、まったく新しいプロジェクトをスタートさせた。24時間年中無休のフィットネスクラブ「ANYTIME FITNESS」を運営する(株)Fast Fitness Japanと提携し、病院敷地内にフィットネスジムをグランドオープンしたのだ。

 全国的にも珍しい新基軸を打ち出して注目を集めている徳山病院だが、そもそもは古い体質の病院だった。1952年に外科・内科・小児科・耳鼻科などをもつ企業立病院として開設。一時は地域の中核を担う病院として機能していたが、年々経営は厳しくなり、気づけば病床稼働率は70%以下となっていた。

医療法人周友会徳山病院
理事長 高山 成吉 氏

 この崖っぷちの状況を、わずか3年で病床稼働率100%にまで引き上げたのが、2014年2月に理事長に就任した高山成吉氏だ。まずは新たな法人理念として「私たちは患者さん、ご家族を援助します」を掲げ、病院として、また医療人として、本来あるべき姿への回帰を誓った。その後、高山氏自ら全職員へ理念研修を実施し、患者の「生活の場」と化していた病院を「治療の場」へ転換。革新的な経営手腕により、順調に業績は伸長。2020年には医業利益が10億円を超え、同年10月、建物の老朽化にともない、念願の新病院の新設、移転を成し遂げる。

徳山で始まった最先端プロジェクト

 そんな徳山病院の新しいチャレンジが、地域で暮らす人々のさらなる健康増進を目指した今回のフィットネスジムとの提携だ。徳山病院では企業健診と一般健診を合わせて年間2,800人が健診を受診している。高山氏はこれらの健診について、以前から「生活習慣病と診断された患者が、実際にどんな運動をしているか。正確なデータを取る方法、場所はないだろうか」という問題意識をもっていた。そこで考えついたのが、病院とフィットネスジムのコラボレーションというわけだ。

 まずは地域と共生する病院づくりを目指すため、周南市が取り組んでいる健康推進事業「しゅうなんスマートライフチャレンジ」に参加する場としてフィットネスジムでの無料体験イベントなどを計画中。高山氏は「最初は健診結果の該当者がメインターゲットになるが、ゆくゆくは健康増進目的の一般の方や高齢者の筋力トレーニングなどにも活用されることを期待している」と語りつつ、すべての人に健康と福祉を届ける未来に想いをはせる。

 あらゆる年齢の人の健康的な生活を確保し、福祉を推進するこの取り組みは、SDGsの取り組みとも一致している。ビッグデータとAI時代に、新しい医療の在り方を探る――最先端のプロジェクトが今、徳山という中規模都市で始まっているのだ。


<INFORMATION>
理事長:高山 成吉
所在地:山口県周南市南浦山町5-14
設 立:2015年10月
TEL:0834-21-3750
URL:https://tokuyama-hp.jp/


<プロフィール>
高山 成吉
(たかやま なりよし)
北九州市出身。外科専門医、がん治療認定医、乳腺外科専門医、医学博士。緩和ケアや老人医療も専門として地域密着型医療を提供。医療法人勢成会 井口野間病院理事長なども務める。

 

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