J1定着を狙うアビスパ 目指すのは信頼とリスペクト
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アビスパ福岡(株) 代表取締役社長
川森 敬史 氏ブラインドサッカーで学ぶ信頼の大切さ
「5年周期を打ち破ろう」――これまでJ1昇格をはたしても1年で降格し、5年間はJ2での雌伏を余儀なくされるジンクスを繰り返してきたアビスパ福岡。久しぶりのJ1を戦った2021年シーズンは、下馬評を大きく覆す8位でフィニッシュし、みごとにジンクスを打破する活躍を見せた。
福岡のスポーツ界に明るいニュースを届け続けたアビスパだが、SDGsの面でも地道な活動を通して希望の光を投げかけている。中心になって活動している川森敬史代表取締役社長に話を聞いた。
アビスパでとくに力を入れて取り組んでいるのは、ゴール3の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」だ。
「『継続は力なり、さらに継続は宝なり』という言葉を胸に、取り組みを続けています」(川森社長)。
今シーズン特徴的だったのは、法務省との取り組み。川森社長とトップチームの選手、スクールコーチ、ブラインドサッカーのコーチ・選手らが福岡少年院(福岡市南区)と筑紫少女苑(福岡市東区)を訪問し、入所している少年らとブラインドサッカー体験やミニゲームなどのふれあいイベントを実施した。
「入所している院生の社会復帰、再犯抑制等の一助になればと考えました。少年院や少女苑に入ることになった子どもたちは、社会や周囲の人たちと信頼を結ぶことができなくなってしまっていることも多い。そんな彼らから、ピッチの外からのコーチングだけを頼りにプレーするブラインドサッカーは、『人を信じること』の大切さに気づく機会になった、という感想文をいただきました。選手たちにとっても非常に良い経験になりました。」
心を込めた一礼で示すすべての人へのリスペクト
久しぶりのJ1を戦うなかで、アビスパが思わぬかたちでニュースになったことがあった。ルヴァンカップ・鹿島アントラーズ戦で、敗れたアビスパの選手たちが試合終了後にメインスタンドに向かって「ありがとうございました!」と一礼したのが話題になったのだ。
「試合前の練習では入場後に四方に向かって一礼、試合後は勝敗やホーム・アウェイにかかわらず、スタンドに向かって礼をしています。J2時代からずっとやっていますが、J1では珍しかったようですね。アビスパとして、相手チームや試合にかかわるすべての人に対するリスペクトを表すために礼をしています。海外ではサッカーの試合と民族問題や地域対立が深く関係している場合もありますが、日本のJリーグは幸いにもそうではない。『礼に始まり礼に終わる』という姿勢は、サッカーにも共通すると思います。私たちの礼を見たのでしょうか、他のクラブでも取り入れているところは増えてきましたね。」
アビスパの理念の1つに、「地域に誇りと活力を」というモットーがある。「試合前・終了後の一礼」は、その姿勢をストレートにあらわす象徴だといえるだろう。サッカークラブとしての至上命令はもちろん勝利だが、アビスパはそれを越えた次のステップへと踏み出そうとしている。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:川森 敬史
所在地:福岡市東区香椎浜ふ頭1-2-17
設 立:1994年9月
資本金:3億6,009万円
TEL:092-674-3020
URL:https://www.avispa.co.jp/
<プロフィール>
川森 敬史(かわもり たかし)
1965年11月生まれ、東京都出身。2015年3月アビスパ福岡(株)代表取締役社長に就任。法人名
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