2024年11月23日( 土 )

全国初の動物保健衛生所を設置、感染予防強化へ

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ワンヘルス イメージ 福岡県の服部誠太郎知事は、本日の記者会見で全国初の動物保健衛生所(仮)をみやま市に設置すると発表した。人と動物、環境の健康は1つという「ワンヘルス」の考えに基づき、人と動物の保健衛生を一元的に担う拠点を構築する。

 新型コロナウイルス感染症は動物由来の人獣共通感染症であり、人への感染を防ぐためには、動物全体の感染状況を把握する必要があるとの考えに基づくものだが、県によると、動物の病気の発生状況について、愛玩動物や展示動物については統計的に把握されておらず、野生動物についてはほとんど把握されていないという。

 動物保健衛生所開設の候補予定地は、23年に閉校となる保健医療経営大学(みやま市)の敷地であり、筑後地域の家畜の保健衛生を担う県筑後家畜保健衛生所(筑後市)を移転し改称させる。同地には、県保健環境研究所(太宰府市)の移転がすでに決定しており、関連施設の集積を進める。動物保健衛生所として開設後、愛玩・展示動物と野生動物の保健衛生業務を付加し、幅広く動物の感染状況などを検査し、人への感染予防に役立てる。

 福岡県は2020年12月に全国初となる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定、今年3月には、「福岡県ワンへルス推進行動計画」を策定している。人獣共通感染症や薬剤耐性菌への対策、環境保護や人と動物の共生社会づくりなど7つの柱を設定し、今年度から5年間の期間で取り組むとしている。

 動物保健衛生所開設時期については未定であるが、保健環境研究所が27年度の移転開設を目指しており、それに近いタイミングでの開設を目指すものと思われる。

【茅野 雅弘】

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