古賀市で「まちづくり共同事業体」結成
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3月末に古賀市のインキュベーション施設「快生館」に進出した県外企業3社と、快生館の運営事業者1社の計4社が、古賀市の地域活性化の実現をともに目指していくための共同事業体を組織し、その調印式が14日に行われた。
今回組織されたのは、その名も「古賀市インキュベーション施設『快生館』を軸としたコミュニティ形成及び持続的なまちづくりのための共同事業体」。同共同事業体には、サテライトオフィス誘致支援事業などを手がける(株)あわえ(徳島県美波町、吉田基晴代表)、恋活・婚活コミュニティの運営事業などを手がけるコミュニティ婚活(株)(神奈川県横浜市中区、松浦千恵代表)、起業家育成支援事業などを手がける(株)ロコガイド(東京都港区、堀口育代代表)、快生館をはじめとしたシェアオフィス・コワーキングスペースの施設運営などを手がける(株)SALT(福岡市西区、須賀大介代表)の4社が参画した。
調印式の冒頭、田辺一城・古賀市長が挨拶。「この薬王寺温泉・快生館がリニューアルオープンしてから、まだわずか半年ですが、すでにさまざまな“クロスオーバー”がここで生まれています。チャレンジングな取り組みであり、そのことに不安が全くないと言ったら嘘になりますが、その不安を払拭してくれる布陣がこうしてかたちになっているのは、とても心強く思っております。『快く生きる場』という名前を冠したこの快生館を拠点にした今回の共同事業体の結成は、古賀市にとっても、大変重要な、そして大きな一歩だと思いますので、皆さまと一緒に頑張ってまいりたいと思います」――と期待の想いを述べた。
続けて、今回の共同事業体に参画する4社が、それぞれの決意を表明した。
「先般、当社を含めた3社が古賀市に進出しましたが、当初から「進出」イコール「連携して何かやっていくこと」だという思いがありました。当社では、古賀市でものすごく輝いている方々、それこそ『快く生きている』方々を取り上げる“人図鑑”のようなものをつくり、それを基点にさらなる“クロスオーバー”を巻き起こしていきたいと思います」(あわえ・執行役員/地方創生推進部長・吉田和史氏)。
「ここに集う人たち同士が、どうやって一緒に価値をつくっていくか――。やはり一緒に過ごし、時間を共有するなかで、いろいろなものが生まれてくると思います。そのためにも、この快生館を舞台に、さまざまなワーケーションの仕掛けを行っていきたいと思います」(SALT・須賀代表)。
「当社は『婚活にもウェルビーイングを』という考え方で事業を行っていますが、そのために重要なのは体験を共有し、お互いを知りあっていくことのできるコミュニティの形成だと思っています。この考え方は、この快生館での“クロスオーバー”にも通じるものがあると思いますし、『婚活×地方創生』というかたちで、古賀市のまちづくりや地域活性化に寄与していければ」(コミュニティ婚活・松浦代表)。
「単に情報発信するだけでなく、その先の行動変容まで促していかなければ、意味がありません。当社では起業家育成のためのサポートを主に手がけることになりますが、その取り組みを通じて、『古賀市に来れば、何か新しいことができる』――といった“文化”を共につくっていければと思っています」(ロコガイド・地方情報部/シニアディレクター・石井一弘氏)。
共同事業体の事務局機能はあわえが担い、各社が互いに連携しながら、共同で古賀市のまちづくりに取り組んでいく。今後は、各社それぞれがイベント開催やプログラムを実行していくなかで、各々進捗状況などの情報共有や共同事業体としての作戦会議などを毎月行うほか、3カ月に1回のペースで顔を突き合わせてワークショップのようなかたちでの事業検証やブレインストーミングなどを予定しているという。なお、同事業は国が進める「デジタル田園都市国家構想」にも合致しており、その交付金を活用していくことが決定している。
調印式終了後には、地場でデジタルマーケティングや映像制作などを手がける(株)ネスピア(古賀市)の代表取締役・松見達也氏も加わり、皆で記念撮影を実施。皆で一丸となって事業を進めていくべく、各人が“クロスオーバー”を表すように手をクロスさせ、気持ちを1つにした。
さらにその後、共同事業体4社の関係者やネスピア・松見代表、そして市職員や田辺市長も一緒になって、「3年後の古賀市のビジョン」を考えるワークショップを実施。同ワークショップでは、ファシリテーター役をあわえの吉田執行役員が務め、各々が思い描く「こうしたい」「こうなってほしい」という古賀市の将来像について、ブレインストーミング形式でさまざまな意見を出し合った。
参加者たちからは、「多様性が感じられる」「自分のやりたいことで生きられる」「いろいろな市民が主体的にまちづくりに参画」「快生館で出会った人同士が結婚して、子どもが生まれる」「行動がちゃんと評価される」「非日常と日常が交差する」「(快生館で)温泉カラオケが楽しめる」「高校生起業家が生まれる」「(快生館を)遊園地のような楽しい場所」――など、さまざまな自由な意見が発表。それぞれが和気あいあいとした雰囲気のなかで、目指すべき3年後の古賀市の姿について語り合った。
今回の共同事業体を核として、薬王寺・快生館でどのような“クロスオーバー”が生まれ、古賀市全体の活性化へとつながっていくのか――。今後のさらなるユニークな取り組みや新たな動きに期待したい。
【坂田 憲治】
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