2024年07月16日( 火 )

ポラテック九州が事業展開を積極化 非住宅分野にも注力

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佐賀工場の外観の一部
佐賀工場の外観の一部

 プレカット木材供給量日本一のポラスグループが、九州エリアでの事業展開をより積極化しようとしている。グループ傘下で、佐賀県唐津市に本社・工場を有するポラテック九州(株)が人員拡充を図り、生産拡大に努めるほか、非住宅分野での事業拡大も図るというもの。同社は今年3月21日、会社分割によりポラテック西日本(株)(本社=滋賀県甲賀市)から九州地域のプレカット事業を承継していた。

 ポラテック九州佐賀工場(別称「レインボーフィールド」)は、総面積7万4,178m2の敷地のなかに、第一工場(稼働開始2017年、建物面積1万4,137m2)と第二工場(同21年、同1万4,181m2)の2つの工場を有する。合計の月間生産能力は、構造材加工1万7,500坪、羽柄材加工1万2,000坪、合板加工8,700坪とされる。

 第二工場での生産体制の拡充を図り、従来は鉄骨造や鉄筋コンクリート造が大半だった店舗やビル、商業施設など非住宅分野の木造化(「ウッドチェンジ」)の動きに対応できるようにする。なお、地域の住宅事業者が対応・参入できるよう、設計段階からサポートできることも強みとしている。

 木材の調達については、グループ全体では海外産6割となっているが、ポラテック九州については国産材が6割を占め、その多くを宮崎・熊本・大分など九州各県の木材が占めているという。

九州進出から5年以上が経過

ロボットも導入された工場内の様子
ロボットも導入された工場内の様子

    プレカット木材は、柱や梁などの構造材、垂木・間柱・床材などの羽柄材や合板を、継ぎ手や仕口などの接合部分の加工まで行い、施工現場での省力化を図るもの。現在、新設木造住宅の 90%以上に使用され、とくに近年は、設計CADとの連携やロボットによる加工によっていっそう効率化され、住宅事業者の経営に欠かせないものになっている。

 28日に報道陣に佐賀工場内が公開された。宮野宏明・ポラテック九州取締役部長は「九州で事業を始め5年以上が経過し、グループ初の現地企業として、お客さまである住宅事業者はもちろん、エンドユーザーにより良い住宅を供給していくことなどで、地域への貢献を強めていきたい」と語った。

 ポラスグループは埼玉県越谷市に本社を置く住宅・不動産事業者で、子会社のポラテック(株)を通じて1982年にプレカット事業に参入。現在、ポラテック九州を含め全国6工場を有し、生産したプレカット材の約1割をポラスグループ内で使用、残りの9割を各地域の住宅事業者などへ販売している。

【田中 直輝】

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