社員みんなが社長を目指せる風土が奏功 長年の信頼と盤石の経営体質で存在感を示す
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進興設備工業(株)
他社にない「自社施工」の強みを生かして 安定経営を続ける
1959年3月設立の進興設備工業(株)。給排水衛生器具設備工事や空調換気設備工事、メンテナンスやリフォームなどを手がける地場の中堅設備工事業者で、2023年春、設立65年目を迎える。20年4月に5代目の社長に就任した井手口富彦社長は、同社の生え抜き人材の1人で、現場一筋35年のベテラン。継承後から3年経つ現在も、卓越した技術と長年の信頼で、同社は業界内でも一目置かれる存在感を示している。
同社は新築工事と改修工事の両方を手がけるが、ここ数年はどちらも数字を伸ばしている。取引先には地場のゼネコンが多く、下請工事が売上全体の6~7割を占める。一方、改修工事は、ほとんどがマンションの管理組合など、個人が相手となる。長年の信頼と実績から、元請発注依頼が多く、管理組合とのつきあいも増加の一途である。利幅の高い改修工事は、自社施工の強みを多分に生かしている。顧客の要望に忠実に応えることができ、何よりもスピーディーに仕事をこなすことができる。業界内では、施工部分を外注する業者も多いなかで、自社施工にはこだわり続けることで、顧客から大きな信頼を得ている。
現在、同社の社員数は47人。そのうち約半数は、工事施工・メンテナンス部門に所属しており、同部署には若い社員を積極的に投入し、現場経験を積ませているという。井手口社長によると、若いうちに現場経験を積ませることが社員のやりがいにもつながっているのだという。
コロナ禍でも揺るがない受注増
建設ラッシュの福岡で存在感示す井手口社長が社長に就任したのは、コロナ禍真っただなかの20年春。就任後まもなくはコロナ禍の影響もあり、「設備機器類がなかなか入ってこない」「現場が思うように進まない」「社員を出社させにくい」「個々のコミュニケーションがとりにくい」など、いくつかのマイナス要素もあったが、福岡の建設ラッシュ、人口一極集中の追い風もあり、同社は順調に数字を伸ばしてきた。23年の現在、コロナ禍の負の影響はほとんど収まりつつあるという。井手口社長は、「仕事の質を低下させないように、いつも細心の注意を払っている。仕事のレベルさえ落とさなければ、仕事は途切れることなく来ると実感している」と絶対の自信をのぞかせる。
同社は業界内でも、勤続年数の長い社員が多いという。この春も、勤続42年で定年を迎えた社員たちをねぎらうパーティーを開催した。1つの会社に一生涯を捧げ、勤め上げるということはなかなかできることではない。本人の努力はもちろんのことだが、仕事のやりがい、組織としての働きやすさがあってこそだ。井手口社長自身も高校を出て、同社に入り、経験を積んできた「たたき上げ社員」の1人だが、このように長く働いてくれる社員が多いのも同社の強みの1つとなっている。
とはいえ、年長者ばかりの組織なのかというと、そうではない。現在の社員の平均年齢は39歳で、業界のなかでも若い方だという。「コロナ禍でここ最近できなかった夏の納涼会、ソフトボール大会などのイベントも行い、社員同士の結束が生まれてきた。ベテランと若手が両輪として活躍してこそ、良い仕事ができている」と井手口社長は話す。
社員の誰もが社長を目指せる会社
風通しの良さで人材を定着させる設備業界は汚れる、きつい、朝が早いなど、長年若者に敬遠される業界といわれてきた。現場は朝8時に朝礼があるのが当たり前で、それより前に事務所に出社してから現場に向かうとなると、必然的に早朝出勤を余儀なくされる。同社も長年、「朝を制する者が仕事を制する」というモットーのもと、仕事に励んできた。
また、同社は社員寮を完備しており、新入社員は全員入寮して、私生活面から先輩後輩の関係を築き上げるという、いわばお決まりの流れができていた。そして、新入社員は必ず厳しい施工の現場を数年経験するのが当たり前で、その経験を生かして、管理部門やメンテナンス部門への仕事に移行するのが基本パターンだった。
しかし、時代はだんだんと変わりつつある。日本国内すべての業界が慢性的に人手不足のなか、若者に敬遠される業界に未来は見出せない。男性ばかりの職場でもよくない。井手口社長は、「どうすれば若い社員がこの会社で働きやすさを感じてくれるか、そのあたりを重視し、福利厚生や社内環境の改善を考えていきたい」と話す。
同社は毎年2、3人の新入社員を採用している。最近は中途も含めると、女性社員も入ってきた。「自分もそうだったが、入社したときにまさか自分が社長になるとは思わなかった」と井手口社長は話す。大野史朗会長も、井手口社長も、社員のなかから社長に抜擢された人物であり、同社は、「社員全員が社長を目指すチャンスがある」会社なのだ。井手口社長は「最近の若い人は上を目指す心意気が少ない人が多いと聞くが、社長を目指してみたいという意欲がある若者にはどんどんチャンスを与えていきたい」と話す。
社長3年目を迎えた井手口社長に、今年の抱負をうかがうと、「目立った大きな目標を掲げるのではなく、これまでと同様、地に足をつけて、1つひとつの仕事を丁寧にこなしていくだけ。今年入社する新入社員が定年を迎えるまで、きちんと毎年3回賞与を払える会社にしていく」とのこと。
安定の経営基盤、取引先からの絶大な信頼、社員想いの風土。23年度も男女問わず、3人ぐらいは採用したいと考えているとのことで、興味のある若者はぜひ、同社の門をたたいてみてはいかがだろうか。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:井手口 富彦
所在地:福岡市南区玉川町4-2
設 立:1959年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-551-6883
URL:http://www.shinkoh-s.com<RECRUIT>
募集職種:技術職
応募資格:大学卒、短大・専門卒、高校卒
採用実績:2022年度/2人
採用予定:3人程度
問合せ先:092-551-6883
採用担当:総務部 北嶋
URL :http://www.shinkoh-s.com/company/recruit/
<プロフィール>
井手口 富彦(いでぐち・とみひこ)
1968年12月生まれ、福岡県八女市黒木町出身。福岡県立黒木高等学校卒後、進興設備工業(株)に入社。取締役工事部長、常務、専務を経て2020年4月に代表取締役社長に就任。ものをつくることが子どものころから好きで、DIYが楽しみの1つ。法人名
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