建機レンタル・福祉用具レンタル業界の雄 DXと働き方改革で事業の成長を推進
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(株)ニシケン
労働環境を整えて、
社員の幸福度を上げる福岡県久留米市に本社を置く(株)ニシケン。建設機械のレンタルや介護・福祉用品のレンタル・販売を手がけている。同社は2016年に建機レンタル業界最大手の(株)カナモトの傘下に入り、事業を展開している。
社長就任以来、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進、人事制度の改良など、さまざまな課題に着手してきた。直近、建設業等の猶予期間終了が24年4月に迫る「働き方改革関連法」の施行を見据え、さらなる休日制度等の充実を図っている。
求める社員像について、20年から代表取締役社長を務める田中誠一氏は、「現在、正社員数は約650名、嘱託・パート・派遣社員などを合わせると約860名になります。事業部ごとに差はありますが、正社員では営業職の比率が高く、次は整備職です。今年度の新入社員は10名でしたが、来年度は20名超を採用する予定です。一緒に働いて楽しい・面白い姿がイメージできる人を意識して採用しています。世の中まさに多様性の時代であり、多種多様な人がいる方が会社は強くなれると思っています」と語る。
また、営業職の女性比率、女性管理職の比率を引き上げることを目指している。同業他社に比べると決して低くはないが、そもそも女性の絶対数が少ない業界であり、比率を上げるためには採用時から工夫する必要があるとしている。
コロナ禍でしばらく自粛していた社内イベントについても社員会が中心となって実施予定であり、来年くらいには全社員が一堂に会する懇親会をやりたいと考えている。労働環境が多方面において改善され、社員の満足度と定着率は確実に向上している。職場環境が整うと時間や心に余裕が生まれ、社内の人間関係も良好になるのだろう。
DXを楽しみ、
創造力を発揮できる職場に同社は近年、積極的にDXを推進している。かつては基幹システムサーバーが久留米にあり、たとえば久留米の大雨の影響で全体のシステムが止まり、関東や関西の営業所が影響を受けるような事態が発生していた。サーバーのクラウド化を推進するなどし、直ちに改善に乗り出し、結果BCP対応強化、セキュリティ強化、アクセシビリティ向上などを実現することができた。
社員が繰り返し行うルーティンワークなどについて自動的に処理できるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を扱える人材の育成に取り組み、2年かけて35名が研修を終えてスキルを習得した。従来育成研修については外部委託を行っていたが、今後はできるだけ内製化していく方針である。蓄積された大量のデータを分析し、的確かつ迅速な意思決定を助けるBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールも、100名以上に権限を付与し、普及促進を図っている。
「私自身、DXは楽しんでやっています。各種技術の発展により、さまざまなことが効率化・自動化できるようになりました。まだまだ試行錯誤をしている部分もありますが、会社としてDX投資は必須だと考えています」と話す田中社長。事務作業などが効率化されて空いた時間は、創造的な活動に充てるよう社員に話している。会社は社員の雇用を守り、給料を払うため、継続的に利益を出す必要があるが、現状維持を目指していては衰退していってしまうリスクが高い。これを回避するために会社として成長拡大を目指すことは必要不可欠である。
働くことは、収入を得るだけではなく、自己実現や社会貢献であり、他人や社会とつながっていくためのツールであるといえる。「関わるみんなを笑顔にしたい」という田中社長の下、同社は働くことの意味や価値を熟考し、想像力が最大限に発揮できる環境であるといえよう。
双方の「話を聴く姿勢」が信頼関係をつくる
「当社では、新入社員に向けて、説明責任とともに『質問責任』の話をしています。上司に部下に説明する責任があるのならば、部下にも上司に質問する責任がある、というものです。この考え方は「教えてもらっていない」という主張で、上司が一方的に責められないためにも有効です」と田中社長は語る。「聞いていません」というのは、見方を変えれば「あなたから聞いていません」ということだけではなく「自分から聞いていません」ということでもあります。そして、若手に聞くことを促す一方で、聞きやすい雰囲気にする努力を社員全員に求めている。
現在はマネジメント研修にも注力しているという。一昔二昔前は営業成績さえよければリーダーになれ、指導方法についても「俺に黙って付いて来い」という精神論が主流だったが、現在は当然ながら、マネジメントにもスキルが必須となっている。世代間の感覚の差はあるとは思うが、同社のマネージャーの大宗は時代は変わったと認識しており、研修に前向きに取り組んでいるという。
人事評価では2年前に「360度評価」を導入した。通常の上司の評価に加え、同僚、部下、他部署の社員などのさまざまな立場の関係者が評価をするというものだ。評価する際のコメントの通知範囲設定は評価者が選択可能としており、伝える内容や方法については、細心の注意を払っている。
田中社長は20年の就任から約1年をかけ、社員約530名と「1on1雑談」と称して、1人30分の個別雑談を実施した。そして現在は雑談後入社した社員などを対象に、第2弾をスタートしている。
「私自身、多くの発見がありました。私自身の情報の解像度はもちろん上がりました。加えて社員から会社のことを考えたさまざま提案などが出されると、未来が明るく輝き、本当に嬉しくなります。饒舌な社員も口下手な社員もいろいろいますが、真剣に向き合って聴く、話すということが大事だと感じました。社員が安心感や自己肯定感を感じてくれる一助になれば嬉しいですね」と田中社長は朗らかに笑う。
同社の売上高は21年10月期は215億円、22年10月期は251億円となった。23年10月期はさらに増収を見込んでいる。22年1月に同じカナモトアライアンスグループに属していた(株)九州建産を吸収合併したほか、今年11月に同グループの第一機械産業(株)を吸収合併する予定である。今後ともカナモトアライアンスグループの一員として、カナモトアライアンスグループ一丸となって時代が求める新しい価値を創造・提案し、着実に進化を続けていくことだろう。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:田中 誠一
所在地:福岡県久留米市宮ノ陣町若松1-9
設 立:1960年11月
資本金:11億1,900万円
TEL:0942-35-5840
URL:https://www.r-nishiken.co.jp<RECRUIT>
募集職種:営業職、整備職、事務職
応募資格:高卒以上、普通自動車運転免許
採用実績:2022年度正社員51人(新入社員18人含む)
採用予定:年間50人程度(新入社員20人含む)
問合せ先:0942-70-9080
saiyou@r-nishiken.co.jp
採用担当:桒本、原嶋
URL :新卒採用
https://www.r-nishiken.co.jp/recruit/
中途採用
https://www.r-nishiken.co.jp/career/
<プロフィール>
田中 誠一(たなか・せいいち)
1966年福岡県大野城市出身。九州大学大学院工学研究科修士課程修了。92年、日本興業銀行(現・みずほ銀行)入行。2017年、みずほ銀行国際為替部副部長。19年6月、(株)カナモト社長付顧問を経て、20年1月に(株)ニシケン代表取締役社長に就任。法人名
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