酸素を取り入れる新しい方法(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏人間は食べ物を何十日間食べなくても死ぬことはない。水をまったく飲めなくても2、3日なら何とか生きられるようだ。しかし、酸素の供給が5分でも止まれば、生命は危機に晒される。それほど、酸素は生命を維持するうえで、大切で欠かせないものである。
私たちはその酸素を呼吸で体内に取り入れているが、鼻や口から吸いこまれた空気は、肺で血液とやり取りされる。血液中の二酸化炭素が空気中に排出され、空気中の酸素が血液中に取り込まれる。血液はまず心臓へ流れ、そこから強力な圧力で全身に送られる。酸素は赤血球に含まれるヘモグロビンと結びつくことで赤血球に乗って血液とともに流れ、最終的には臓器や組織の細胞に届けられる。
酸素は細胞のなかに入り、細胞内の発電所とも呼ばれる小器官であるミトコンドリアのなかでエネルギーをつくることに関与する。エネルギーをつくる際に、酸素は燃料として利用され、酸素が不足すると、エネルギーが十分につくれなくなるため、生命維持に支障をきたすことになる。人が活動するのにも、車が動くのにもエネルギーが必要である。人のエネルギー源は食べ物で、車のエネルギー源はガソリンである。
ミトコンドリアは酸素を利用して食べ物(糖、脂肪など)からATPというエネルギー物質をつくる。このATPは、あらゆる細胞におけるエネルギー通貨のようなものとして利用され、それが私たちの体外活動として歩いたり、運動したり、また体内活動としてタンパク質を合成したり、さまざまな栄養成分の代謝に使われる。
よって酸素が不足すると、酸素を少しでも多く取り入れるため、あくびをしたりする。酸素不足の結果として、集中力が落ちたり、目には見えないが免疫力が落ちたりして、病気にかかりやすくなる。現代医学ではガンなど、ほとんどの疾病は酸素不足が原因であることが明らかになっている。空気のなかには約20%の酸素が含まれているが、近年、世界的な二酸化炭素排出量の増加によって大気中の酸素濃度が少しずつ減少していることが分かった。私たちが、「良い空気」という場合、酸素濃度が高い空気を指す。私たちが森の中に入ると、気持ちが良くなったり、爽やかになったりするのは、空気中の酸素濃度がごくわずかに高いためである。
しかし、現実の世界では大気汚染など空気をめぐっていろいろな問題が発生している。とくにコロナ期間中にはマスクをすることによって、呼吸で取り入れる酸素量が普段より減少しがちになった。そのような酸素不足による健康被害も増加しているようだ。それに、ヘモグロビンと結合して細胞に届けられる酸素は血管が詰まったり、血管が狭くなったりしていると、酸素が目的地まで行けなくなることも多い。そうすると酸素が不足し、その結果細胞が正常に機能しなくなり、各種の疾病が発生することにもなる。
(つづく)
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