パチンコ御三家ガイア、850億円の負債を抱え倒産
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パチンコホール経営大手の(株)ガイア(東京都中央区、大山努代表)が30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日、保全・監督命令を受けた。負債総額は約850億円。グループ会社で同じくホール経営の(株)MGや、建築工事を手がける(株)ガイア・ビルドなど6社も同日、同様の措置となっており、7社の合計負債額は1,600億円にのぼると見られている。ホール経営業者としては過去最大の倒産であり、パチンコ業界内外で衝撃が広がっている。
ガイアを襲った幾多の受難
ホール経営業者として、マルハン、ダイナムとともに“御三家”として存在感を発揮していたガイア。メガガイアを筆頭に、全国で200店舗に迫るホールを展開し、2006年5月期には5,800億円超の売上高を計上していた。しかし、11年に当時の代表取締役が覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕されたほか、18年には同社の不正会計を指摘する怪文書が流布されるなど、決して順風満帆に事業を継続してきたわけではなかった。
その後、追い打ちをかけるように同社は改正風営法やコロナ禍の影響を受けた。市場環境の激変を受け業績は低迷を続け、20年5月期に売上高が3,000億円を割り込むと、同社は不採算店舗の閉店や、店舗経営に関する権利義務の譲渡に踏み切る。21年には店舗数が130店舗程度まで減少。以降も店舗売却は続き、22年5月期には1,752億円まで売上高が減少、59億円の最終赤字を計上していた。
業界内でささやかれていた10月説
この間、借入金の返済期限を迎えることもあり、ガイア倒産危機は幾度となくパチンコ業界内でささやかれてきた。そして、23年9月末、業界内で再びガイア倒産危機がささやかれた。ガイアが不渡りを出し、10月末の手形決済も厳しい状況のため、10月の倒産は避けられないというものだ。
これを受け不渡りを出したのも、資金繰りが逼迫し、購入した台の支払いに手形を切るしかないほど追い込まれていたからでは、との観測が上がりはじめる。一方で、これまで倒産危機がささやかれる度にガイアがもちこたえてきた経緯もあり、まだ話半分といった状況だったが、10月に入りパチンコ・スロットメーカーらがホールに対して「未納品の台(ガイアに納入予定だったパチンコ・スロット台)を買ってもらえないか」との打診を始めたことで、真実味が一気に高まった。この時点でメーカーはガイアからの受注、納品を停止しており、メインバンクの三井住友銀行が回収に走ったとの話も業界内で広がり始める。そして、10月30日、ガイアはグループ会社とともに民事再生という結末を迎えた。
ガイアの23年5月期の業績は、売上高1,895億円で前期比増収となったものの、当期純利益は65億円の赤字で、最終赤字からの脱却は果たせなかった。同社は、Jトラスト(株)(東証スタンダード)とスポンサー支援に関する基本合意書を締結しており、今後グループ会社とともに、Jトラストのもと再生手続きを進めていくことになる。
あるホール経営者が「今回のガイアの民事再生が、ほかのホール経営業者に対する与信判断に影響を与えることになるのではないかと、正直不安ですね」と話すなど、ガイア倒産は業界に大きな衝撃を与えている。
【代 源太朗】
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