北九州・鳥町商店街大火災 防火意識の重要性を再認識
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3日午後3時すぎ、北九州市小倉北区魚町で119番通報があった。火の手が上がったのは小倉駅からほど近くにある「鳥町食道街」。第2次世界大戦直後の闇市がルーツで、歴史ある木造店舗群は見る間に燃え広がり、隣接するアーケード「魚町銀天街」も含む35店舗、2,900平方メートル(速報値)を延焼する大規模火災となった。火は5日午前8時50分ごろに鎮火。
5日午後に現地へ赴いた。新年を祝うのぼりや小倉十日ゑびす祭のポスターの並ぶアーケードは、両手に福袋を下げた買い物客などで賑わう。しかし、規制線を示すテープが行く手に現れると、空気が質量を得たように重く感じた。周囲には焼けた臭気が沈滞し、側溝には消火用水と灰の混合物が詰まっている。付近の現場作業員は「(3日)午後6時ごろになって、煙が屋根のあるアーケードにまで充満してきた。視界が真っ白で恐怖を感じた」と火災当日を振り返る。魚町銀天街も炎と熱により屋根の一部が焼損した。そのため、規制線は魚町(砂津・門司方面)のバス停留所(砂津・門司方面)がある歩道を含む鳥町食道街周辺と魚町銀天街の一部にまでおよんでいた(6日にはバス停留所など一部地域が解除)。通り抜けられないことを説明する警官の声が響いていた。
火元は鳥町食道街の中心部にある飲食店とみられる。火元近くの飲食店の関係者が「油が入った鍋を火にかけたまま店の外に出ていた」と捜査関係者に話していたという報道もある。けが人などが出なかったのは不幸中の幸いだが、市民の防火意識が検証されねばなるまい。
北九州市では一昨年の2度にわたる旦過市場一帯の大規模火災も記憶に新しい。北九州市は一昨年の火災以降、防火指導員を導入したほか、飲食店への査察の周期を従来の3〜5年から1年に短縮するなど、防火の指導を強化していた。
旦過市場は鳥町食道街から500mも離れておらず、鳥町食道街の関係者にとって「対岸の火事」ではなかったはずだ。木造の古い店舗が密集し、燃えやすく消火しづらい構造が酷似していることも周知されていただろう。
それでも火災は起こってしまった。一方、5日午後の現場付近では、火災のことを知らず規制線前で警官に詰め寄る買物客や、灰皿のない通路で喫煙をしている通行人も散見された。これでは、一連の火災が教訓とならず、いつか再び火災が発生してしまうのではないか。全市民が防火意識を高めていくことが大事だと改めて認識させられる。
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