学生・企業双方に実りあるインターンシップとは 「Breakthrough Fukuoka」の発表を見て
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学生が就職前に企業の業務を体験するインターンシップ制度。学生にとっては、プログラムを通じて業界や業種、企業、職種の雰囲気、企業文化などを体感できる機会であり、企業側にとっては人材獲得の機会となるほか、学生ならではの視点に触れることで、事業内容の改善に役立つこともある。
そうした特性から、学生、企業の双方でインターンシップ制度を活用、導入するケースが増えてきた。ただ、それぞれの目的が不透明なまま制度が運用されると成果が得られないことも多い。
そんなミスマッチを解消し、学生側にとっては主体性の向上、企業側にとっては事業内容の課題解決に役立つ、より実践的な活動に取り組む事例が福岡にある。学生団体「Breakthrough Fukuoka」が取り組むインターンシップ活動だ。
福岡大学経済学部の専門科目である「ベンチャー起業論」を母体として発足したもので、今期は福岡県内の6大学(福岡大学、福岡工業大学、中村学園大学、福岡女子大学、福岡女学院大学、西南学院大学)の学生が参加している。
昨年12月29日に、その2023年後期の発表会が福岡工業大学FITホール(福岡市東区)で開催された。上記6大学の学生が6つの混合チームを結成し、約7カ月におよぶ長期インターンのなかで把握した各企業や業界が抱える課題とその解決策について発表した。
会の運営にはじまり、発表に用いられるプレゼン素材などすべてが学生の手づくり。限られた時間のなかで、それぞれのチームとそれを構成する学生たちが発表を行う真摯な姿が大変印象的であった。学生だけでなく、受け入れ企業にとっても、大変実りがある活動であったことが強く想像された。
同活動は、福岡大学経済学部教授としてベンチャー企業論の講座を担当し、昨年8月に死去した阿比留正弘氏ゆかりのもの。これまでに多くの企業人、経営者を輩出しており、彼らは福岡のみならず内外で広く活躍している。
人材不足が指摘される昨今。人材獲得や育成のため、このように学生を積極的に受け入れ、そこで得られた成果を今後の事業に役立てる企業がもっと増えることを期待したくなる会であった。
【田中 直輝】
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