見事に復活したビットコイン、今後の行方は(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏価格を押し上げた要因とは
ビットコインの価格上昇要因としては、米国SEC(証券取引委員会)の今年1月のETF承認を上げることができる。ETFとは、上場投資信託のことを指す。これまでの上場投資信託と同じく、複数の投資家から集めた資金をまとめて運用の専門家が管理・運用し、その成果が分配される。ビットコインETFは、ビットコインの値動きに連動するように設定されている投資信託である。ETF承認によってアメリカでは、証券会社の証券口座を通じてビットコインが売買できるようになった。
仮想通貨を直接所有せず仮想通貨への投資が可能になったことは、仮想通貨の今後に大きな影響をおよぼすことになるだろう。これによって一般投資家でも仮想通貨への投資が容易になり、ますます仮想通貨市場が活発になりそうだ。取引初日の出来高は合計で40億ドルを越えたと報じられており、資金がビットコインに流れ込んでいる。
市場でビットコインの現物ETFが相場を押し上げる要因となると考えられる理由は、金のETFが2004年に初めて承認されたときも、その後に価格が大きく上昇したためである。それから約20年が経った現在、金の価格は当時と比べて5倍以上となっている。金と似た性質をもつビットコインも、ETFによって価格が大きく上昇し、中長期的には今よりも高い水準で推移するだろう。
3月13日にビットコインETFには1日史上最大規模である10億ドルを上回る資金が流入した。ビットコインETFの登場は、これまで暗号資産取引所との取引や、暗号資産を自ら手動で保管するリスクを負わなくてもよくなった。ビットコインの価格上昇のもう1つの要因は半減期であろう。ビットコインの土台となっているブロックチェーン技術を変更し、報酬を半分に減らす仕組みが、半減期と呼ばれる。次の半減期は4月に予定されており、さらに価格が上昇するのではないかという憶測が広がっている。
ビットコインの半減期は4年に1度行われ、マイナーの報酬が50%減少することになる。すなわちマイナーの報酬は6.25BTCから3.125BTCに減少する。マイニングによって受け取れる報酬が少なくなり、マイナーが割に合わないと感じた場合、ビットコインのマイニングから撤退していくことが予想されるだろう。その結果、市場では供給が減少し、価格を押し上げる要因となる。
今後の展望と注意点
上記の2つの要因以外にも、さらに3つの好材料が揃っている。まず米国の利下げ観測。金利や配当を生まない暗号資産は、基本的に金利低下が追い風となる。2024年早期の利下げを予測する声が増えているなか、それが追い風となっている。しかし、インフレはいまだ続いており、米国が利下げに向かうのはもう少し先の見通しだ。
もう1つのトピックスは、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争勃発だ。地政学的リスクが高まると、特定の国家に管理されないビットコインが資産の逃避先として買われるパターンが少なくないからだ。ビットコイン価格は今度どうなるのか、その行方に注目が集まっている。
(了)
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