福岡県、カスハラ対策指針に退去命令などを明記
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福岡県は、来庁者などが、県職員に対して一方的なクレームをつけたり、暴力的、威嚇的な要求を反復的に行ったりする「カスタマーハラスメント」(カスハラ)に対する指針の運用を本日(1日)より始めた。
県は、職員に取り組むべき職務に注力させ、より多くの県民に行政サービスを提供するとともに、職員の過度な負担の軽減を図るのがカスハラ対策に本格的に乗り出した目的だとしている。
県民からの県民生活や行政サービスに関するさまざまな声に対しては、基本的な接遇、マナーを心がけ、初期段階の苦情やクレームには丁寧かつ真摯に話を聞き、説明を尽くすなど適切な対応に務める。
苦情などが長期化・複雑化し、悪質な事案へと発展した場合、係長などの上司の同席や交代なども行うといった対応を行い、カスハラに該当するかの判断は、課長補佐などが行い、必要と判断されれば対応を終了したり、退去を命じたりすることができる。(※図、県のホームページより)
県が2020年4月から23年6月にかけて、職員に対するカスハラ行為に関する調査を行ったところ、県庁や出先機関において、計168件のカスハラに該当する迷惑行為が報告され、そのうちの55%は電話によるものだった。なかには、録音した職員との会話をSNSに投稿した事例もあったという。カスハラの内容で最も多かったのが時間の拘束で、その次に暴言、過度な要求などで、暴力行為やセクハラも報告されている。
一方で、正当かつ妥当性のある主張なのか、不当な要求なのかの判断は慎重であるべきだとして、職員が安易にカスハラと判断することがないよう、県として統一的な指針が必要として今回の職員向けの対応指針がまとめられた。
福岡県警は、県に先んじて昨年5月よりカスタマーハラスメントについての指針に基づく対応を行っており、警察署で暴言を繰り返し、長時間居座り続けた行為を行った男が逮捕されたケースもある。
指針をまとめた福岡県人事課内部統制室は、データ・マックスの取材に対し「カスハラ行為は、職員の萎縮や業務の遅滞を招き、県民の皆さまへの公共サービス提供の支障をきたす」と述べたうえで、「県民の皆さまに報道などを通じて、ご協力を求めていきたい」と語った。
【近藤 将勝】
法人名
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