成長への鍵は『じそう』、学び続けられる企業風土を醸成(後)
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(株)電子商事
求めるのは『じそう』できる人材
同社が求めているのはズバリ、『じそう』できる人材だという。
「この『じそう』という言葉は、実は弊社社員が考えてくれたオリジナルの言葉なんです。事業計画会議のなかで、皆が目標にできるものが社員のなかから出てきたことは、とても嬉しいです。もちろん私も含め、完璧に『じそう』できている社員はまだいませんから、現在、OJTを通して皆目標達成を目指して頑張っている最中です。この『じそう』なのですが、3つの意味が込められているんです。1つ目が、『自走』。指示を待つのではなく、自分から動き出せる人になろうということです。自分で決めたことは最後まで自分でやりきる。そういった想いも含まれています。2つ目は、『自創』。5W1Hを明確にしてゴールを定め、自分自身の力でそのゴールまでのプロセスをデザインしていくこと。一つの方法で上手くいかなかった場合には、二つ、三つと別の方法を模索する。自分で次の一手を常に企画していこうというものですね。そして、3つ目が『自操』。お客様、仕入先、社内の同僚、場合によっては社長も巻き込んで、一つの成果を生み出していく。もちろんそれぞれの立場や状況を考慮しつつ、外部の方々、目上の人、上司、仲間を動かし形にしていく。一番難しい『じそう』なのでなかなかできる人はいません。高度な調整能力をはじめ、経験だけでは補えない、持って生まれたセンスも要求される、本当に一番難しい目標と言えるでしょう。
あと、これは個人的に思っていることなんですが、日本はまだ女性が活躍できる環境整備が遅れていると思います。人材活用のキーワードとして、やっぱり『女性』というのは外せません。もちろん、国が推奨するような女性管理職の割合を何%にするといった杓子定規的なものではなく、あくまで本人の能力に応じた場の提供にすべきだとおもいます。高齢者の方も一緒です。以前、『カンブリア宮殿』に取り上げられた、『葉っぱビジネス』を観ていて驚かされたんです。落ち葉を拾って、それを『つまもの(料理を引き立てる飾り)』として売り出すというものだったんですが、この仕事で『70歳を過ぎたおばあちゃんたちが、年収800万円稼ぐの!?』って。今の60代、70代って、すごく元気な方が多い!なかにはまるで若者のように活力に満ちた方もいらっしゃる。だから女性、高齢者に関わらず、スキルもやる気もある人たちには、やっぱりその力を活かしてもらった方がいいと思いますし、単純に、もったいないなと思うんです。定年や結婚・出産を機に、まだまだやる気のある優秀な方たちが仕事を辞めてしまうこともあると思います。だからこそ、そういった方たちが活躍できる場所や働き続けるための選択肢を提供してあげることが大切なのではないでしょうか。もっと社会に出て貢献してもらう。そうした動きが広まっていき、納税する立場になる方の割合が増えれば、国の財源不足の問題にも、きっとプラスの効果が出てくるはずです」(中野専務)。
企業の存続には何を、どのように提供するのかというサービス力が必要だが、最も必要なのは、そのサービスを顧客に提案・提供する社員たちの人財力だ。その強化を、トップダウン式ではなく、社員たちの声から掬い上げるボトムアップ式のマネジメントで実施する同社。社内・外でのこうしたアットホームな信頼関係の醸成とその成功が、そのまま同社の魅力であり、強さの秘訣と言えるのではないだろうか。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:中野 武志
所在地:福岡市中央区大宮2-6-23 141ビル1F・2F
設 立:1977年3月
資本金:2,000万円
TEL:092-533-5500
URL:http://www.denshi-shoji.net/<プロフィール>
中野 明子
1990年、香住丘高等学校卒業後、福岡大学人文学部英語学科に進学。在学中、イギリスへ交換留学。94年同大学卒業。95年「タイ政府貿易センター福岡」に就職。2000年からタイへ。5年後に帰国し、(株)電子商事へ入社、専務取締役を務める。法人名
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