熊本地震発生から半年、解体で増える更地と進まない修繕工事
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熊本地震発生から半年。以前に比べればだいぶ発生頻度は減少したが、屋内にいるほとんどの人が揺れに気づく震度3以上の余震は今も発生している。直近では、熊本県熊本地方で、10日11日午前6時45分頃と翌12日午後3時56分頃に最大震度3の地震が検知された。
この断続的な余震が復興の大きな妨げとなっている。「受注は山ほどあって断っているぐらいですが、なかなか工事が始まらない」と地場工務店業者は深刻な表情で話す。震災によるダメージを受けた住宅の修繕の依頼は数多くあるものの、さらなる地震の発生を警戒し、施主が着工に踏み切れないというケースが多いというのだ。
4月14日と16日、立て続けに味わった2度の大地震の恐怖は、多くの被災者にとってトラウマとなった。頻発する余震は、「もう大丈夫」という言葉を被災地の人々から奪った。本震から4カ月が経過した8月31日午後7時46分頃、熊本県熊本地方で地震が発生し、熊本市西区と熊本県宇城市で震度5弱が観測された。「また、大きな地震が起きるかもしれない」という心理が、住宅の修繕工事を遅らせる理由となっている。
その一方で、強風による瓦やガラスの飛散といった2次災害を避けるためにも危険家屋の解体は優先的に行わなければならない。住宅地を歩けば、更地を目にする機会が増えており、あらためて震災の被害の大きさを体感することになる。表面的には、大丈夫に見えた住宅でも、立ち入りが制限される危険家屋と判定されたものは少なくはない。更地になって、その数がより顕在化した。
益城町など、全体的に壊滅的な被害を受けた地域以外では、住宅地で虫食い状態のように更地が増えている。そのなかには、とりあえず駐車場に転用している所も少なくはない。宅地も含めて、新しい利用方法については、やはり地震で受けた心の傷が癒えてからになるだろう。
【山下 康太】
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