博多駅前陥没事故、建築物ドミノ崩壊のおそれ~専門家・仲盛氏が指摘
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8日午前5時過ぎに発生した、福岡市地下鉄工事陥没事故(発生前後の経緯はコチラ)について、構造設計の専門家は、事故現場周辺の建築物にドミノ崩壊の危険性があると指摘する。警鐘を鳴らすのは、(協組)建築構造調査機構の仲盛昭二 代表理事。仲盛氏は、今回の事故を受けて、以下のコメントを発表した。
協同組合 建築構造調査機構 代表理事 仲盛 昭二 氏
道路陥没事故が発生した福岡市博多駅前地区における建築物の支持地盤までの深さは、だいたい約14~16mです(西側の中洲方面へと進むと、さらに支持地盤まで深くなります)。一方、地下鉄トンネルの深さは、トンネルの構造物の上部が、だいたい地盤面下16~18mくらいです。
現場周辺の建築物は、基本的に、建物の下には杭基礎が施工されていると思われます。この杭地業の深さ(長さ)も16m前後であるはずです。それゆえに、杭そのものの周りの土が、現場写真のように、まったくないという状態であれば、杭そのものの耐力が、地下地盤周面からの締め付け効果がなくなることにより、杭周面の摩擦力の極端な減少および杭本体の座屈現象などによって、耐力を大きく毀損してしまいます。
早急にこの現況を修正しなければ、たいへん危険なのは火を見るより明らかです。事故現場周辺の建築物で、小規模な建物および比較的に古い建物などは、杭を打たない直接基礎なども、多く存在しているはずです。杭基礎が施工された建物の危険度とは次元の異なる建物の傾き現象などが発生することも考えられないことではありません。決して「ドミノ崩壊が起こらない」とは言えないのです。さらに、この状況下で、中規模以上の地震に襲われたら。想像するだけでも恐ろしくあります。
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