「困っている人の役に立ちたい」~司法書士こそ天職
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川野司法書士事務所 川野 秀美 氏
司法書士は、個人や企業などの依頼で法務局や裁判所に提出する書類作成や申請手続きを代行する国家資格だ。不動産登記や法人登記、裁判事務業務、成年後見業務、遺言書作成など、市民の身近な法律相談窓口となっている。今年4月に福岡博多ライオンズクラブに入会した川野秀美さんは、若手ながら福祉や創業支援にも注力する、広い視野を持った司法書士である。
――司法書士になったきっかけを教えてください。
川野 私は家具で有名な大川市出身なのですが、中学生のとき、友人の両親が経営する家具製造会社が倒産し、他の友人の親が勤めている下請会社も連鎖的に倒産するという事件が起こりました。先の倒産は計画性のない事業拡大が原因で、自殺者が出る悲劇に発展してしまいました。他にも借金や相続の問題、高齢者の消費者被害など、田舎ですから近隣で起こるいろいろな問題を日常的に耳にします。そのたびに「困っている人の役に立ちたい」という思いが募っていました。社会的な問題解決のために法律を学ぼうと、同志社大学の法学部へ進学し、サークルは法学研究会に所属しました。弁護士志望など、志の高い人たちが周囲に多くいる環境を作ったのです。ただ、自分のおっとりした性格上、闘わないといけない弁護士には向いていません。法律を生かした他の仕事がないかと探していたとき、司法書士という資格を知りました。司法書士は日常の生活に密着した法律的問題を解決する業務が多く、福祉的な仕事もあるのです。
――司法書士の仕事で福祉的な分野とは。
川野 例えば、成年後見人という業務があります。2000年から成年後見制度がスタートしたのですが、高齢者や精神障害、知的障害の方など、ご自身の財産管理が困難な方をサポートするために作られました。財産を単に管理するだけでなく、ご本人の希望を叶えたり有効に活用したりすることも大事で、身上の監護に関する法律事務を行います。成年後見人となるのはご親族の方が多いのですが、高齢者や障害者の権利を擁護するため、最近では司法書士や第三者後見人が選ばれるケースも増えています。
――どうやって選任されるのですか。
川野 直接ご依頼が来ることもあります。また、「公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート」という司法書士が任意で入会する全国組織があり、そこで後見人としての倫理や法、知識を学ぶ研修を受けると家庭裁判所への推薦名簿に掲載され、成年後見人の依頼が来ることもあります。現在、私は成年後見人として認知症の方6名を受任しています。
――「福岡創業支援センター」の支援メンバーもされていますね。
川野 「福岡創業支援センター」は、公認会計士の秋吉博文先生が、「創業する方を支援したい、倒産を減らしたい」という思いから立ち上げられた団体です。それぞれ独立して事務所を構えた士業で専門職のチームを作り、起業を考えている方や創業して間もない方へのアドバイスを行っています。士業が集まることで一貫したきめの細かいサポートができ、私もその一員を担っています。
――福岡博多ライオンズクラブでの活動はいかがですか。
川野 今年の4月に入会したばかりですが、とても温かく迎え入れてくださり楽しんでいます。活動としては、まだ福岡国際大会でのお手伝いと清掃活動ぐらいですが、例会には必ず出席しています。幼い時から家族全員で祖父母の介護をしていたので、私は福祉やボランティアにも興味を持っていました。ライオンズクラブの活動は、単なるボランティアだけではないことが魅力です。また、司法書士は法律実務家として働くと同時に、福祉分野の業務もあるため、天職だという思いで取り組んでいます。
<INFORMATION>
川野司法書士事務所
代 表:川野 秀美
所在地:福岡市中央区天神2丁目14−38 伊藤ビル3F
TEL:092-725-5080<プロフィール>
川野 秀美
昭和57年6月16日生まれ。福岡県大川市出身。趣味ゴルフ・自転車関連キーワード
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