『脊振の自然に魅せられて』湿原に生きるハッチョウトンボ
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ハッチョウトンボは日本で一番小さなトンボで、100円玉ほどの大きさです。湿原を好むトンボで、夏場は湿原の草むらに飛び回らずにジーッと止まっていることが多いです。あまりにも小さいので、飛び回ると疲れるのかなと私なりに思っています。
夏の早朝、この小さなトンボは体中に朝露をいっぱいつけています、目玉や羽や胴体までも。レンズを向けると、その朝露が真珠のように輝いて目に飛び込んできます。神秘的な瞬間です、私はこの魅力に引かれ、トンボと会話しながらシャッターを押します。
夏場は交尾の季節でしょうか、雄は尾を上に跳ね上げて、雌にアピールしているようです。湿原で生息する小さな生命を、未来につなげようとしているのです。日本各地で、里山や農地が都市化または放置農地になってきています。こんな自然環境の変化が生物多様性を低下させ、生態系のバランスを崩し、自然環境から私たちにもたらされる恩恵を失わせることにつながっていきます。
ハッチョウトンボの舞う小さな湿原が、いつまでも存続することを願うばかりです。なお、ハッチョウトンボの名前の由来は 発見された場所が「○○八丁目」から来ていると文献にあります。九州の尾瀬といわれている佐賀県唐津市七山の樫原(かしばる)湿原では、この小さなハッチョウトンボを観察することができます。遊歩道や駐車場も整備されています。湿原のなかに入らないよう、ルールを守って観察してください。見ごろは梅雨明けから8月ごろまで。8月初めはサギソウも見られますよ。
2017年7月9日記
脊振の自然を愛する会 代表 池田友行関連キーワード
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