「きららの湯」を巡り揺れる糸島(2)~適用続く200円割引
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今年4月1日付で日食システム(株)(所在地:糸島市二丈深江、松本謙二代表)へ無償譲渡された「二丈温泉 きららの湯」。糸島市が下した無償譲渡の判断に、糸島市住民らが反発し、現在裁判にまで発展している。さらに、無償譲渡後の市の対応を巡っても、疑問の声が上がってきている――。
公正な競争といえるのか
糸島市には、きららの湯のほかにも複数の温浴施設がある。伊都の天然水を用いたサウナや岩盤浴など、充実した設備が魅力の「伊都の湯どころ(所在地:糸島市泊765番地元気くらぶ内)」。飲料水としてはもちろん、料理や美肌水、アトピーにも効果があるとされる天然アルカリイオン水を用いた大浴場や、糸島産の食材にこだわった料理を提供する「和食処十坊」を擁する「まむしの湯(所在地:糸島市二丈吉井2380-1)」などである。
上記温浴施設と、きららの湯の入湯料金を比較してみると、きららの湯は550円。伊都の湯どころは560円(土日祭日は660円)。まむしの湯は600円と、大きな差は見られない。しかし、きららの湯に限っては、満65歳以上で糸島市に住民票がある人に対して、市から入湯料について200円の助成が行われている(土日祭日、年末年始等は除く)。金額面だけを考えれば、200円の“割引”が受けられるきららの湯が、高齢者層の獲得に関して優位な立場にあるといえる。
市がHP上で公表している「平成28年版糸島市統計白書」によれば、市の総人口の約4分の1にあたる25,900人が65歳以上である。潜在顧客の数として、看過できる数とは言い難い。
繰り返しになるが、今年4月1日からは無償譲渡により運営は民間企業に託されている。入湯料の助成をきららの湯だけに適応しつづけるのは、公正な競争が行われているとは言えないだろう。
(つづく)
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