シリコンバレーも注目!日本のロボット技術
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、12月8日付の記事を紹介する。
世界のベンチャー企業が集まるアメリカのシリコンバレーでこのところ注目を集めているキーワードは「AI(人工知能)とロボット工学の合体」に他ならない。アマゾンもマイクロソフトもAIに特化したファンドを相次いで立ち上げた。また、世界規模でコンピュータネットワーク機器を開発するシスコシステムズはマインド・メルドと呼ばれる音声認識ツールを手がけるスタートアップを傘下に収めた。
世界の大きなトレンドは、人工知能を搭載したロボットがビジネスの現場でも家庭生活のあらゆる場面で活躍するということだ。幸い、我が国では、「鉄腕アトム」に「エイトマン」そして「ドラえもん」のお陰もあり、人型ロボットが社会に馴染んでいる。そうしたアニメの影響を受け、産業用ロボットの開発や実用化の分野で活躍する道を選んだ研究者やエンジニアの数では恐らく日本は世界ナンバー1といえるに違いない。
実際、自動車や電子部品、最近では医療機器や食品などの製造工場でも、ロボットの普及率はすさまじく、世界から注目を集めている。たとえば、トヨタ自動車では生産ラインでのロボット活用は当たり前で、最近では在宅介護の分野にもロボットを導入すべく海外のAI企業を買収し、「高齢化ビジネスの切り札」にする方針を固めているとのこと。もちろん、自動車本来の安全性を確保するために、運転者の感情をリアルタイムで認識し、安全な運転が可能かどうかを判定するAIシステムも実用化が進んでいる。
実は日本政府は2015年1月に「ロボット新戦略」を正式決定している。すでに産業用ロボットの出荷額でも稼働台数でも世界一を達成した日本。その意味では、日本は「ロボット大国」と言っても過言ではないだろう。今後は、農林水産業や医療介護などの現場でも、ロボットの利活用が拡大するはずだ。また、近づく東京オリンピック・パラリンピックを控え、多言語対応のできるロボット運転手のタクシーが間もなく登場する予定だ。2020年にはそうしたロボットタクシーが3,000台ほど投入され、外国人観光客をおもてなしするという。
政府の掲げる目標では、「2020年には国内のロボット市場を2.4兆円にまで拡大する」とのこと。サービス業の分野でもロボットの普及率を30%まで引き上げようとの目標が掲げられている。長崎県のハウステンボスでは、フロントやポーターまでロボットが務める「変なホテル」が話題となっているが、ロボットを導入することで、人件費を通常の25%に抑えることに成功しているようだ。労働力不足に悩む業界には正に助っ人といえよう。
今後はサービスや生産のあらゆる場面において、ロボットが人間に代わり、主役の座に躍り出る時代が間違いなく到来するはずだ。そうした「ロボット時代」の最先端を走っているのが、日本なのである。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに連動するかたちで、我が国では「ロボット・オリンピック」も計画されている。2018年にはプレ大会が実施され、世界中の最先端ロボットが日本に結集するはず。官民挙げて「ロボット新戦略」を推し進める日本とすれば、何としても成功させたいイベントである。
※続きは12月8日のメルマガ版「世界最新トレンドとビジネスチャンス」第91回「シリコンバレーも注目!日本のロボット技術(前編)」で。
著者:浜田和幸
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