「We Serve」の理念を改めて掲げ ライオニズムの本質に立ち返る活動を(4)
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ライオンズクラブ国際協会 337-A地区 地区ガバナー 林田 俊一 氏
稲穂・前漢鏡と旧伊藤伝右衛門邸
――穂波ライオンズクラブについて、お聞かせください。
林田 穂波ライオンズクラブは、1975年に結成されました。当時の筑豊地方は、高度経済成長期の基幹産業を支えたエネルギーである石炭からどう転換するかを迫られていた時期でした。石炭輸送で栄えた鉄道路線や鉄道駅が廃止されるなか、廃駅となった平恒駅を改造してクラブ事務所として活用していた時期もあります。
私たちのクラブの象徴であるバナーには、3つのモチーフが掲げられています。1つは「稲穂」です。この地域は、古くから稲作で知られてきた土地です。地名にも、その名残が多く残っています。穂波を始め、飯塚、稲築、筑穂、嘉穂などなど、「稲」「穂」「飯」という文字が残る地名には、豊作の願いが込められています。遠賀川流域からは、米の計画的な栽培が初めて行われたことを示す遺構が発見されています。
次に「鏡」です。遠賀川流域は、日本に明確な国家体制が整う以前から中国大陸との交流が行われていました。立岩遺跡からは43基の甕棺が発掘され、なかからは多くの前漢鏡が発見されました。昨年5月、新飯塚駅前に立岩遺跡から出土した重要文化財の前漢鏡「連弧文日有喜(ひゆうき)銘鏡」をモチーフにしたモニュメントを設置しました。これは筑豊地区のライオンズクラブ合同で費用を出し合って制作したものです。このモニュメントは、ライオンズクラブ創立100周年のレガシープロジェクトとして、地域の皆さまに前漢鏡出土の意義にもう一度目を向けていただこうというものです。
最後に、「旧伊藤伝右衛門邸」です。炭鉱王・伊藤伝右衛門は、筑豊の男たちの心意気を象徴する存在でした。4年前、NHKの朝の連続テレビ小説『花子とアン』で取り上げられ、注目を集めました。
稲穂、前漢鏡、炭鉱。それぞれの文化と歴史は、次の世代へと語り継ぐべきレガシーであり、私たちのライオンズクラブの象徴としてふさわしいものだと考えております。
――今後のライオンズクラブの活動について、どう考えておられますか。
林田 ライオンズクラブは、創立から100年以上の歴史を誇る世界最大の慈善団体です。クラブのメンバーには、それぞれその一員として活動するということに誇りをもってほしいと思います。
1年の任期をしっかり務めて、337-A地区のライオンズクラブがより良い活動をできるように、精一杯のアドバイスと指導をしていきたいと思います。
(了)
【聞き手・文:深水 央】<プロフィール>
林田 俊一(はやしだ・しゅんいち)
1950年4月27日生まれ。アストル(税)代表社員。国士舘大学大学院修士課程修了。福岡県法人会(連)税制委員長、(公社)飯塚法人会副会長などを歴任。82年に林田税理士事務所(現・アストル(税))を開設。現在は(税)の業務とライオンズクラブの活動を車の両輪として、精力的に活動を続けている。著書に『黒字をつくる社長・赤字をつくる社長』『赤字を黒字にした社長』がある。関連キーワード
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