全国から福岡県に産業廃棄物が集まっている!?
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「関西だけでなく、関東地方からも産業廃棄物がもち込まれている」――そう語るのは福岡県内の産廃業界関係者だ。あまり知られていないが、福岡県は九州では唯一、県外の産業廃棄物を受け入れている。産業廃棄物の広域処理という考え方が広まっているものの、原則として福岡県以外は県外廃棄物の受け入れを認めていない。宮崎県や鹿児島県などは、九州内で発生した産廃に限って(多くは福岡県からのものだが…)、事前協議を経た搬入を認めており、その内容や量、発生過程や搬入経路などを提出しなければならない。
そのようななか、複数の業界関係者は「福岡県を中継地点として、関東・関西の産廃が宮崎県や鹿児島県に運び込まれている」と語る。関東や関西からの産廃が、本州から見ると九州の玄関口となる福岡県の中間処理施設に運ばれ、「福岡産のゴミ」として福岡県外に搬出されているという。この場合、福岡県で発生した産廃ではないため、本来は受け入れできないのだが、ゴミには産地が記載されているわけでもなく、見極めは難しい。ひどい場合は、中間処理されずに、積み替えだけで輸送されているという話もある。
どこまでチェックが行き届くのか――。宮崎県循環社会推進課に確認したところ、「福岡の中間処理場などへ現地調査に行っています。どこから搬入された廃棄物を処理しているのか、厳しく調査しています。このほか、県外廃棄物受入に関する講習会を開催し、参加企業にのみ取扱を認めています」とのことだ。
そういった状況が生まれる背景には、福岡県内での産廃処理費用が全国的な相場よりもずいぶん安いという事情があると関係者は語る。産廃と言っても、多種多様。たとえば、建設産廃をゼネコンが産廃業者に処理委託する場合、福岡では1立米3,500円から4,500円だという。「福岡県、市は日本一安い。関東、中部の半値」という関係者もいる。業者が多く、ダンピングが横行しているのが、その安さの理由だ。
そのため遠方からの輸送費を乗せても、大量の廃棄物を処理する場合は福岡にもち込む方が安く済むというのだ。中には、処理費用の高額な管理型産廃を安定型にもち込むという御法度を行っている業者の存在もちらほらと聞く。この流れを利用してか、関東や関西の産廃業者が福岡の中間処理業者を傘下に加えたり、福岡に資本を注入して中間処理場を開設したりして、効率的な産廃処理ルートを構築しているようだ。
【東城 洋平】
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