怪物・カマチグループ創設者、蒲池真澄氏(13)
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民族のための医療を行うのが我が使命(前)
カマチグループ 会長 蒲池 真澄 氏
今後も東京へ回復リハビリ病院を積極的に開設していくというカマチグループの蒲池真澄会長へ面談を申し込んだところ、「原宿リハビリテーション病院の件であれば会おう」と、承諾の返事があった。その言葉に、東京・都心への進出にかける蒲池会長の熱い意欲が込められているのを感じた。
<医療は「シンプル アンド ロジカル」>
●医師と看護師に求めるもの
蒲池 僕は何事も論理的に話す。最初は何事もこれから語ることの定義付けから入る。医療に必要な定義は、看護の定義だよ。「たしかな知識と技術、豊かな感性。患者さま、1人ひとりの笑顔を大切に、心のこもった看護サービスを提供する」――これを看護師はもちろん、医師にもしっかりと把握してもらわねばならん。そして医師は看護師を尊重し看護師は高い知識と技術を持ち、医師と高いレベルで議論し合うことだ。真に患者さんのためになるような医療とサービスを提供できるようになるには、それぐらいやらねばならない。
とにかく患者さんのために役立つ医療を行わねばならんよ。そのためにどのような医療を行えばいいかということは、「シンプル アンド ロジカル」だ。僕は救急医療医として早い時期から、「早く退院させないと、後の救急患者を受け入れられない」という理由で早期退院が必要だと考えた。しかし、中途半端な治療で患者を退院させ、その後寝たきりになるのでは意味がない。そんなときに当時18歳の若いセラピストが、治療後すぐに適切なリハビリを行えば、回復が早いことを実例で示してくれた。彼が手術後の患者さんにリハビリを施すと、リハビリをしない患者さんと予後が違った。まだ早期のリハビリはいけないとされていた時代だったが、リハビリは非常に効くと思った。だから積極的に取り入れることにした。<生きるか死ぬかの覚悟でリハビリに挑め>
●リハビリ時に患者へ求めるもの
蒲池 本当に患者さんのためになるようなことであればね。ただし法は順守するよ。患者さんのためにやることが、法にそぐわないようなことであってはいけない。しかし一見非常識だと思われるようなことでも、本物だと見極めれば積極的に取り組む。患者に対しても、本気で回復させたいがゆえに、真剣勝負でリハビリに取り組むことを求める。これは原宿リハビリテーション病院の挨拶時にも言ったけど、「家に帰るか、死ぬかの気持ちでリハビリに取り組みなさい」と言う。
最初は「なんで俺がここまでやらなきゃいかんのだ」と文句を言う患者さんもいるよ。しかし実際に機能が回復してくると、患者本人が楽しくなる。それからは自主的に取り組むね。まあ正しいと思ったら歯に衣着せず言うものだから、やかましい男だと言われているよ。でも医師でも看護師でも患者さんでも、お互いそれぞれ違って当たり前だ。互いから見れば矛盾を抱えている人々も、違う意見を取り入れさらに成長するためには、議論を高め合い、意見を対立させ合うことも大切だろう。(つづく)
<プロフィール>
蒲池 真澄
学校法人福岡保健学院創設者、社会医療法人財団池友会理事長、カマチグループ会長。
1940年4月14日、福岡県八女郡黒木町生まれ。蒲池家は江戸中期から8代続いた医師の家系で、蒲池真澄で9代目となる。59年 福岡県立修猷館高校卒業、65年九州大学医学部卒業。東京虎ノ門病院でインターン(1年間)、九大大学院医学研究科、下関市立中央病院、福岡大学医学部を経て、74年に今日の池友会グループの礎となった下関カマチ病院を開院し独立した。関連キーワード
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