北九州市の産廃業者、大阪の廃棄物を宮崎へ 指導要綱に違反
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福岡県北九州市の産業廃棄物処理業者が、宮崎県の産業廃棄物に関する指導要綱に違反していることが市への情報公開請求で判明。大阪府や山口県で排出された産業廃棄物を北九州市にある自社の中間処理場を経由して宮崎県内の最終処分場に搬入していることがわかった。
宮崎県では原則として県外廃棄物の受け入れを認めておらず、福岡県内で排出された安定型産業廃棄物に限り、宮崎県との事前協議で承認されれば搬入できることになっている。宮崎県はそれ以外を認めておらず、今回のケースは「宮崎県県外産業廃棄物の県内搬入処理に関する指導要綱」に違反している。
違反が判明したのは、北九州市門司区の産業廃棄物中間処理業者、「(株)無限環境ビジネス」で、同社が北九州市に提出した「産業廃棄物中間処理実績報告書(平成29年度)」により判明した。情報公開請求で入手した同報告書には、同社中間処理施設における処理前の搬入状況、処理後の処分状況が記されており、産業廃棄物がどこから入り、どこに出すのかがわかる。
同社は大阪府や山口県で排出された産業廃棄物を北九州市で中間処理した後、そのほとんどを宮崎県内で埋立処理しており、同指導要綱の違反に該当する可能性が高い。報告書を示したところ、宮崎県も指導要綱の違反を認めた。
資料1および資料2がその報告書だ。
資料1は産業廃棄物の種別と処理方法を示したもの。赤枠をみると、福岡県外2251tを含む計4789tの廃プラスチックが同社の中間処理施設にもち込まれ、処理後に全量が宮崎県で安定型埋立処分されていることがわかる。福岡県外産の産業廃棄物が、宮崎県にもち込まれたことを表している。
資料2からは上記の県外産物がどこから持ち込まれたのかがわかる。
資料2は同社中間処理場への搬入量を記載している。廃プラスチック1833tと金属くず481t、合わせて約2300tが大阪府より持ち込まれている。これに山口県からの廃プラ532tを含めると、全体の搬入量の半数を福岡県外産の産業廃棄物が占めることになる。
この文書を見た宮崎県は、「指導要綱に違反している可能性が高い」としたうえで、同社に対し事実確認を行うとしている。指導要綱に違反しても、罰則の規定はないが、事前協議では、指導要綱違反が発覚した場合、5年間宮崎県への産業廃棄物の搬入を停止するとの承諾書を交わしているという。
事実確認のため、同社に質問状を送ったが、指定した期日までに回答はなかった。
【東城 洋平】
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