若者を大事にする中小企業を発見~「ユースエール認定」
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これまで「健康経営優良法人」や「安全衛生優良企業」などについて紹介しましたが、今回は「ユースエール認定制度」についてみていきます。
「ユースエール認定制度」とは、厚労省が若者の採用・育成に積極的で、雇用管理などが優良な中小企業を認定するもの。2015年10月に創設し、「若者雇用促進法に基づく認定制度」とも呼ばれています。
認定企業は厚労省の「若者雇用促進総合サイト」に掲載され、求職者が地元の認定企業を検索することができる仕組みになっています。サイトで検索したところ、全国では313社、福岡県では8社ヒットしました(2018年1月現在)。認定企業になるためには、「直近3事業年度の新卒者(正社員)の離職率20%以下」「前事業年度の正社員の所定外労働時間が月平均20時間以下かつ、法定時間外労働が月平均60時間以上の正社員ゼロ」「前事業年度の正社員の有給休暇の平均取得率70%以上または年間平均10日以上」などの要件を満たしている必要があります。なお、対象となるのは常時雇用の労働者が300人以下の中小企業となります。
企業側には、若者雇用促進サイトでの掲載だけでなく、「ハローワークでの重点的なPR」「認定企業限定の就職面接会などへの参加」といった採用面、「自社商品・広告などに認定マークの使用が可能になる」という広告面、「若者採用・育成の関係助成金の加算措置が得られる」など金銭面でのメリットがあります。「ユースエール認定」、「健康経営優良法人」、「安全衛生優良企業認定」の各認定基準の違いを、労働時間を例に見てみると、
・ユースエール:前事業年度の正社員の所定外労働時間が月平均20時間以下かつ、法定時間外労働が月平均60時間以上の正社員ゼロ(必須)
・健康経営優良法人(中小規模法人・2018年基準):長時間労働者への対応に関する取り組みを行っている(必須ではない)
・安全衛生優良企業認定:(1)直近事業年度において、労働者1人あたりの時間外労働および休日労働の合計が月45時間未満 (2)時間外労働時間が月平均60時間以上の労働者ゼロ(必須)ほか
となっています。
また、「健康経営優良法人」や「安全衛生優良企業」は健康や安全を重視するのに対し、「ユースエール」は労働環境だけでなく研修内容やメンター制度の有無など、教育面も重要視しているのが大きな違いといえます。
ホームページや各種広告で情報を得やすい大企業と違い、中小企業はなかなか情報が少なく、就職活動の際に判断が付きにくいのが難点。地元で就職をしたい求職者、中小企業で活躍したい求職者はこういった情報を有効に活用していきましょう。
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