【日韓問題・インバウンドへの影響】パチンコツーリズムの可能性を探る(前)
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日韓関係の悪化が連日報じられている。来日韓国人観光客の減少が懸念されるが、来日の目的によっては、日韓両国の関係性など意に介さないという観光客もいるはずだ。その国でしか味わえないコトとなればなおさらそうだろう。日本が誇る娯楽、パチンコ・スロットは、まさにその1つといえるのではないか。
パチンコはコト消費
外国人観光客は何を求めて日本へやって来るのか。観光庁が公表している「訪日外国人消費動向調査2018年年間値(確報)」を見てみよう。訪日外国人観光客の消費額が高い順に見ると1位「買物代」(1兆5,763億円)、2位「宿泊費」(1兆3,212億円)、3位「飲食費」(9,783億円)、4位「交通費」(4,674億円)、5位「娯楽等サービス費」(1,738億円)、そして「その他」(20億円)となっている。消費金額を国籍別に見ると【図1】の通り。
消費額で判断すると、外国人観光客の主な訪日目的は買い物ということになる。モノ消費からコト消費へと叫ばれるようになって久しいが、日本の観光市場においては依然、モノ消費が優勢のようだ。
パチンコ・スロットの遊技は5位の娯楽等サービスに分類される。日本においては、パチンコ・スロットは「娯楽なのか?」と首を傾げたくなる人もいるだろう。しかし、外国人にとってはゲーム感覚で楽しめる、れっきとした娯楽という見方が強いようだ。
米国・ロサンゼルスで開催された北米最大の日本ポップカルチャーの祭典「ANIME EXPO 2018」に、パチンコ・パチスロブースが出展された。協賛企業には、パチンコホール「マルハン」を全国で300店舗以上展開する(株)マルハンも名を連ねる。同社によれば、5日間で6,500名以上が同ブースを訪れ、設置されたパチンコ3台・スロット4台で遊技した。
また、遊技を体験した来場者にアンケートを実施したところ、【図2】のような結果が出ている。
パチンコのことは半数以上の来場者が知っていたが、スロットについては半数以上が知らないという結果には驚きである。日本に先行してカジノを含む統合型リゾートを有する米国だが、カジノで稼働するスロットマシーンと日本のパチンコホールで遊技可能なスロット機は、大きく異なるものという認識なのだろう。事実、日本のスロット機はアニメや漫画作品とタイアップしたものが多く、メダルを投入しレバーを叩く度に、液晶画面上でキャラクターに動きが生まれる。外国人にとっては、日本のスロット機は映像を楽しむものといった感覚のほうが強いのかもしれない。
アンケートでは「パチンコを遊技することはCOOL(カッコイイ)と思いますか?」という設問が用意されたが、これに対して84%の人が「思う」と回答。その理由として「映像と音楽がかっこいいから」「ほかにはないゲームで面白いから」などの意見が寄せられた。
パチンコ・スロットの遊技は、日本でしか味わえないコト消費向け観光コンテンツとしてのポテンシャルを秘めている。
(つづく)
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