2024年07月16日( 火 )

自民党・二階俊博幹事長への単独インタビュー(1)

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 9月30日、二階俊博幹事長は自民党総本部の幹事長執務室で中国経済新聞のインタビューを受けた。その内容を紹介する。

(聞き手:(株)アジア通信社代表取締役社長・徐静波氏)

 二階幹事長のインタビューの紹介に先立ち、時計を4年前の2017年に戻してみたい。

 その年は尖閣諸島などの問題があり、日中関係は対立を続けており、日本政府は、中国政府が提唱し積極的に推進していた「一帯一路」戦略構想への参加に消極的な態度だった。
 日本の執政を担う自民党の幹事長・二階俊博氏は、「日中関係のプラスとマイナスのエネルギーの転換点をどうしたら見つけ出せるだろうか」と、突破するための材料をずっと探していた。

 4月、日本の執政を担う二階幹事長は、中国政府からの1通の招待状を受け取った、それは北京で行われる「一帯一路」の国際フォーラムヘの参加要請であった。

 二階幹事長は当年5月、初めての「一帯一路」国際フォーラムが北京で開催されるこの機会を捉え、大胆な決定を下した。すなわち日本の執政党として、我々は独特の作用を発揮しなければならないと考えたのだ。二階幹事長が、北京への出席意向を準備し安倍首相と相談したところ、安倍首相は一時躊躇したが、最終的には自分の助手として今井首相秘書官を二階幹事長に同行させることに同意した。

 二階幹事長が北京訪問を準備しているという情報が伝わった後、最初に二階幹事長に電話してきたのが、(一社)日本経済団体連合会会長・榊原定征氏(当時)で、榊原氏は「我々財界は、代表団をあなたに随行して北京に派遣できないものでしょうか」と言った。
 経済産業省からも、「副大臣を随行させて貰えないでしょうか」と電話があった。

 そして、二階幹事長を筆頭とする100余名の各界から組織された代表団が、北京へ飛び立った。二階幹事長はフォーラ厶の会議で「日本は中国の『一帯一路』戦略構想を支持する」と公式に表明した。

 習近平国家主席は多忙のなか二階幹事長と会見し、二階幹事長は国家元首でない人のなかで習主席と単独会見した唯一の外国人となった。会見で二階幹事長は安倍首相からの親書を手渡した。安倍首相は親書で日本政府を代表して「一帯一路」フレームのなかで中国と協力する姿勢を追求し、同時に両国トップレベルの交流を迅速に復帰させたいとの強い希望を表明した。

 同年11月、ベトナムでのAPEC首脳サミットに出席した習主席は安倍首相と正式に会談し、両国トップの相互訪問を復活させることを決定した。当時会場の正面に掲げられた両国国旗をテレビで見た多くの人々は安堵の笑みを浮かべた。2018年5月、中国の李克強総理は8年ぶりで、日本の地に足を踏み入れ、こう言った。「二階俊博とはどんな人か。どうしてこんな大きな技量をもっているのか」。

 今年81歳になる二階幹事長は和歌山県出身である。約1,300年前、日本の高僧・空海は大唐の都・長安に仏教留学し、日本へ帰国後、和歌山県の高野山に「唐密教」の道場を創設し、高野山を日本最大の仏教の秘境とした。高野山は、後世で世界文化遺産となった。

 このため、二階幹事長は一貫して自分は和歌山人であるとの誇りをもっている。二階幹事長の父親は県会議員の一員であり、母親は医者である。中央大学法学部を卒業後、建設大臣遠藤三郎氏の秘書を担い、遠藤氏の死去にともない和歌山県に戻り、県議会議員に当選した。

 二階幹事長は1983年に衆議院議員に当選し、田中角栄元首相を政治の師匠と尊敬し、日中交流事業に熱中した。今年で二階幹事長は国会議員として丸々37年を勤め、その期間は安倍晋三氏、菅義偉氏よりはるかに長い。

 二階幹事長は経済産業大臣、運輸大臣、北海道開発長官などを勤めた。2016年8月、77歳の高齢で二階幹事長は安倍首相の要請を受けて自民党幹事長に就任し、具体的な党務の仕事の責任を担った。自民党本部では何度か改組があったが、二階幹事長は毎回留任し、自民党史上で任期最長の幹事長となった。

 今年8月、安倍首相が突然病気で辞職したとき、二階幹事長は直ちに内閣官房長官の菅義偉氏を自民党新総裁と新首相に擁立した。二階幹事長の調整の下、自民党各主要派閥はそろって菅氏支持を表明し、その結果、菅氏が順調に日本第99代内閣総理大臣となり、二階幹事長は「菅義偉内閣」誕生の総合プロデューサーとなった。

 ある人はこう言った。「二階俊博氏がいなければ、安倍氏があんなに長く首相を務められなかった。二階俊博氏なくして、『菅義偉首相』もない」。新政権内で二階俊博氏が自民党幹事長を継続して担っているため、日本政界は全面的に重要な特殊地位を保っている。

(つづく)


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