世界初、遠赤外線を放出する「改質繊維」
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏血液は筋肉や臓器に「酸素や栄養素」供給
血液は赤血球、白血球、血小板、血漿で構成されている。赤血球は栄養素を燃焼するのに欠かせない酸素を運ぶ役割を担っている。白血球は体のなかに入り込んだ細菌などを殺すか、人体に有害な物質を分解する役割をはたす。白血球にはいろいろな種類がある。人体がウイルスなどの外敵の攻撃を受けても、人間が健康に生きられるのは、白血球のおかげである。血小板はケガをして傷口から血が出ると、かさぶたをつくり、止血する働きがある。最後に血漿は、血球を除いた液体成分で、血液全体の55%ほどを占める。
血液の重要な役割は、酸素や栄養分を体の隅々まで運んだり、老廃物を排出させたりすることと、体を守ることである。血液の流れが悪いと、人体にどのような影響があるのだろうか。酸素と栄養分が体の隅々まで行き渡らないと、細胞は酸素と栄養素が不足がちになり、活力を失い、体の不調を感じることになる。健康的な身体を目指すなら、身体の隅々まで酸素や栄養が行き渡りやすくなるよう、血行を良くする必要がある。しかし、現実的には老廃物が身体から排出されずに溜まり、血液がドロドロになったり、赤血球が固まって大きくなったりしていて、毛細血管をよく通らなくなったり、血管に脂肪や老廃物が溜まって血管が狭くなっていたりしているケースが頻繁にある。また、運動不足により筋力が低下すると、血行不良に陥ってしまう。そのため血液を常にサラサラにすることと、運動を心がることが大事である。
研究で明らかになった遠赤外線の効果
遠赤外線とは、赤外線の一種で、そのなかでも波長の長い熱作用をもっている電磁波である。遠赤外線には熱作用があるので、温熱効果があり、その作用を利用したヒーター、医療機器、美容機器、寝具、衣服などさまざまな商品が登場している。
7㎛~14㎛波長の遠赤外線が、血栓をほぐして細胞を活性化させることで、体温を上げ、溜まっていた老廃物を排出させることが、NASAを始めとする多くの研究で明らかになっている。人体は遠赤外線を照射されると、細胞の波長と遠赤外線の波長が共鳴し、細胞を活性化させる。さらに、人体のなかの水分子は細胞の活動エネルギーが弱くなると、結合しようとするが、遠赤外線をあてると、波動の働きで水分子が結合しようとする性質を防ぎ、固まった血液が流れやすくなったり、代謝が促進されたりする。なお、細胞の活動が活発になったり、水のエネルギーが大きくなったりすると、老廃物が体内から放出しやすくなり、血管が狭くなりにくくなる。
しかし、遠赤外線の照射量・時間には限界がある。遠赤外線の効果を謳う医療機器なども登場しているが、遠赤外線の放出量は意外と少量であり、また人体には恒常性を維持しようとする傾向があり、照射時には効果があったとしても、その効果は時間の経過ともに薄れていくという。
だからと言って、ドームのような医療機器に8時間くらい入っているわけにもいかない。そこで、こうした時間の問題を解決するために登場したのが長時間着用する繊維製品である。だが、これにも問題がある。
現在の技術では、遠赤外線を放出するセラミックをできるだけきめ細かい粉にして(2㎛~50㎛~)繊維に練り込ませる方法がある。表面に付いたセラミックは、遠赤外線を発生させるが、繊維のなかに埋もれたセラミックが、遠赤外線を放射するには限界がある。それに、このような繊維は洗濯すると、セラミックが落ちていくので、効果が段々薄れていく。セラミックの量は製品全体に比べて1%ほどなので、遠赤外線の効果を十分に享受できるわけではない。
世界初の「改質繊維」で健康革命を
繊維分子の化学的構造を変えた繊維を「改質繊維」という。防弾服に使われているアラミドという繊維は、ナイロンの分子構造を変えて誕生した「改質繊維」の一種である。韓国の企業「(株)テンプアップ」(イ・ギュサン代表)が、繊維の分子構造を変更し、繊維全体から多量の遠赤外線を放出する繊維を開発し、話題となっている。
同社の代表であるイ氏は化学者で、さまざまなテストを行っていく過程で、今回の新しい繊維を製造するのに成功した。従来は繊維にきめ細かいセラミックの粉を混ぜる工法で、繊維をつくっていたが、同社は繊維に金属イオンを化学的に結合させる方法で、まったく新しい繊維を誕生させている。製品にはマスクをはじめ、下着、腹巻、靴下などいろいろな種類がある。韓国ですべて生産し、輸出する予定だが、将来的には海外に技術移転をして現地生産するとイ氏は抱負を語る。
着るだけで健康になるのであれば、これほど便利なものはないだろう。とくに韓国では高齢化社会が急速に進み、政府の医療費負担が膨大になっており、財政悪化を懸念する声まで聞こえている。年間300兆ウォンの医療費支出を目前に控え、この繊維が健康革命を引き起こすのではないかとの期待が膨らんでいる。韓国では口コミを中心に話題となっており、世界でこのブランドが認知される日も、そう遠くないとイ氏は自信をのぞかせている。
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