『脊振の自然に魅せられて』道標メンテナンス(前)
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秋の山歩きで灌木に取り付けた小型道標の結束バンドが外れかかっているのを確認していた。気になりながらも、それから時間が過ぎてしまった。
年内に補強しておかなくては。12月2日(金)、車で椎原バス停から林道を利用し椎原登山口に向かった。脊振山直下の方々から流れ落ちる沢の水が合流し椎原川となっている。
大きな渓谷となった椎原川に舟入橋がかかっている。その橋のそばに手づくりの大きな登山地図が設置されている。この地図は、糸島市にある木工作業所のトンカチ館で、3日がかりで手づくりでつくったものだ。縦1m、横2m、支柱は直径15㎝の丸太を使った。設置には、西南学院大学ワンダーフォーゲル部の学生、OBOG、脊振の自然を愛する会が協力した。民放テレビの『山ガール特集』で取材も受けた。もう10年前のことだ。
この登山地図を、レスキューポイント設置記念として地図部分だけ新しくイラスト地図に作り替えリニューアルした。地図イラストは会員でもあるプロのKに、地図制作は取引のある業者に依頼した。制作費用は早良区役所へ申請する。
ここに来ると、我が家に戻ってきたように感じる。思い出の場所である。
おりしも、前日に佐賀県で初冠雪のニュースが流れていた。脊振の山道には初雪は降ったのだろうか。初冠雪の期待も含め、道標のメンテナンスキットが入った用具袋を手にもち、矢筈峠へ続く山道へ入る。この登山道は渓谷に沿っている。流れる水の音は、冷え込んだ山の冷気で静かで寒々している。夏は沢登りをする場所でもある。
しばらく歩くと、晩秋の紅葉が薄曇りのなかに輝き、目の前が急に明るくなった。真っ赤に色づいたイロハモミジが大きく枝を広げ、時折、北風に揺れていた。雲の間から漏れくる太陽の光が眩しく輝き、紅葉を一段と輝かせていた。12月になったのに紅葉が見られるとは。少し興奮気味にザックを下ろし、肩紐に固定したスマホを取り出す。スマホのレンズを紅葉に向けると、太陽が雲のなかに隠れた。太陽よ、顔を出してちょうだい。祈るような気持ちであった。
しばらくするとやっと太陽が顔を出した。瞬間的に太陽の下で輝く紅葉を撮影した。この日はスマホのみでの撮影である。向きを変えて登ってきた方向からも撮影した。視線が違うと写真の雰囲気も変わる。晩秋の紅葉は筆者へのプレゼントであった。
撮影を終え、登りの山道を急ぐ。矢筈峠へ向かう途中に小さな峠がある。筆者は「そよ風峠」と名づけ、小型道標を取り付けている。小型道標が目立つように赤テープを巻いた。
(つづく)
2022年12月21日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行関連キーワード
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