旧統一教会への解散請求間近 鈴木エイト氏、教団の悪あがきと語る
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文化庁、過料を東京地裁に通知
文部科学省は7日、宗教法人法に基づく「質問権」を通じた調査で回答を拒否したとして、世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)に対し行政罰の過料を科すよう求める通知を東京地裁に発出し、いよいよ解散請求へのカウントダウンが始まった。
文化庁は宗教法人法の「報告徴収・質問権」に基づく旧統一教会への調査で、昨年11月から今年7月まで7回にわたって質問権を行使し、500項目以上の質問を行ったが、回答のない項目が100以上あったとして、教団側に「過料」を科すよう東京地裁に通知することを決めた。同法は、質問権に基づく調査に回答しなかった場合、法人の代表役員に10万円以下の過料を科すと定めている。
行政罰の過料は6日の宗教法人審議会で決定され、反対はいなかった。永岡桂子文部科学大臣は審議会において「(質問権行使に対する)違反の程度は軽微ではない」と強調しており、真摯に向き合わない旧統一教会の態度は裏目に出たといえよう。
宗教法人法に基づく質問権行使では、警察や検察のように家宅捜索や証拠物の押収などはできない。強制力がないため教団側からの資料提出も回を重ねるごとに分量が減っていった。当初から教団は自ら不利になる動きはせず、まともに資料を出さないとみられていた。実際に無回答が100項目以上であったことに対して、SNSなどで多くの人から驚きの声が挙がった。
旧統一教会の関連団体は昨年、北九州市議会や富山市議会などで教団や関連団体との断絶決議を行ったことに対して決議取り消しと損害賠償を求める行政訴訟を起こしている。
関連団体の代理人弁護士を務める徳永信一弁護士(大阪弁護士会)は、ツイッターで「質問権の行使が『違法』 全く頓珍漢な主張です」と断言し、宗教法人として国から特権を享受してきただすから、それなりに国に対する義務を負うのは当然と教団の方針を批判している。
政治との関係を明らかに
政府内には、解散命令請求を行うことに積極的な声がある一方で、慎重論もある。世論の動向を見極めながら、政権浮揚につなげたい思惑も見え隠れする。
記者は8月15日、旧統一教会の取材を20年以上にわたり続けてきたジャーナリストの鈴木エイト氏と、在京メディア関係者を交えて東京都内で意見交換を行った。鈴木氏は「岸田首相はこの夏、教団の解散請求を行う意向がある」と明言していた。すでに晩夏という時期となってしまったが、鈴木氏の発言の通りであった。
改めて鈴木氏に取材したところ、次のように語った。「SNSでの教団に批判的な2世などへの誹謗中傷や、地方議会決議への訴訟などさまざまな教団の動きがあるが、悪あがきである」とし「関連団体である世界平和女性連合と教団の関係は、裁判で明らかになる」「自民党の点検・調査は不十分で、教団と地方議員との関係は続いている。政治家との関係をめぐっては、いまだに表に出ていない大物政治家との関係などもあり、必ず明らかにする必要がある」と述べた。
【近藤 将勝】
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