2024年11月22日( 金 )

『脊振の自然に魅せられて』「登山案内図15年ぶりにリニューアル」(前)

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 脊振山系の早良区エリアに道標、登山地図を2008年10月から設置して15年が経つ。
 西南学院大学ワンダーフォーゲル部 OBOGが中心となり、早良区役所と共働で道標設置事業を展開した。18年5月、荒瀬泰子早良区長(現・副市長)に「脊振山系に道標を立てませんか」と直接相談したのが始まりだった。荒瀬区長から2つ返事でやりましょうと快諾をえた。

15年前に設置した手彫りの登山案内図(小爪峠登山口)
15年前に設置した手彫りの登山案内図(小爪峠登山口)

 6月から道標設置ポイントの現地調査、9月22から4日間、糸島市の木工体験実習館のトンカチ館で道標パーツづくりを行った。残暑厳しい作業所で、西南学院大学ワンダーフォーゲル部 OB OGならびに早良区役所職員など、参加者15名が黙々と電気ノミで文字や地図を彫っていったのを思い出す。ワンゲルの同期、後輩たちが東京や北九州、福岡近隣からも駆けつけてくれ2泊3日の作業を続けた。作業が終わると糸島市の瑞梅寺山の家で合宿(女性は日帰り)。10月から11月の2カ月間で山に設置作業。後輩の学生たちが重い丸太を肩に抱え山を歩いてくれた。

 区役所職員が設置作業日を計画し、毎週末ごと設置作業を行った。設置作業がマスコミに報道されると福岡市民や早良高校の山岳部も設置作業に参加の申し出があった。そして設置作業の2カ月間では延べ150名が参加した。その後、設置作業を4年間続け、5年間で70本の道標、登山地図が完成した。5年間で延べ350名の参加者となっていた。

 翌年から春の山開き、秋のクリーンアップ登山とイベントも行った。これらのイベントは今も続けている。

 2019年には日本山岳遺産にも認定され、その活動資金でドコモCS九州の協力を得て
同エリアに安心・安全登山に役立つレスキューポイント27本を道標の支柱を利用して設置した。

 道標、登山案内図やレスキューポイント設置の効果もあり、脊振山系に訪れる登山者も多くなってきた。登山道のさらなる整備が必要だ。設置した登山地図も古いと感じるようになった。

 今年2月、福岡平成ロータリークラブの山崎さん(7月に会長就任)に、登山案内図リニューアルを行いたいと相談した。その後、ロータリークラブの理事会でリニューアル資金援助の承認をえた。

 脊振の自然を愛する会の会員Kに登山案内図5カ所のデザインを頼んだ。彼はプロのデザイナーだ。偶然だが中学、大学の後輩でもある。デザインは21年10月に椎原バス停に設置した大型登山案内図(2m×1m)と同等のものを指示した。早良区役所と地図の細かい部分を何度も調整した。

 すでに設置した登山案内図をベースに、アルミ製の案内図を上から貼り付ける作業である。サイズは横90㎝、縦55㎝ 大型登山案内図の半分のサイズである。登山案内図と並行して、19年に日本山岳遺産の木製のプレートを案内図の下に取り付けることにした。これは8月にトンカチ館に発注していた。木製のプレートは防腐剤注入したものに、レーザー加工で「脊振山系 2019年 日本山岳遺産認定」と彫ってもらった。以前は手彫りであったものが便利になり文字もきれいである。登山案内図の制作、設置は地元福岡のサインエフェクト(株)に依頼した。この会社とは野河内渓谷整備から10年来の付き合いである。

 設置作業は業者の都合に合わせ、23年9月26日(火)に5カ所を1日で取り付けることにした。椎原峠登山口、小爪峠登山口、坊主ケ滝登山口、花乱の滝登山口、三瀬峠登山口の5カ所である。今年7月の豪雨で脊振山系の林道や登山道が土砂くずれで方々が通行止めになっている。筆者は副代表の Tと徒歩や、車で林道を走行し現場まで車が入れるか事前確認した。小石や木片が散乱し厳しい林道もあったが、普通車だと走行できた。筆者は何度も週間天気予報を確認した。

(つづく)

脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

(後)

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