生成AIがビジネスを根本から変える(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏生成AIとチャットGPT
AIというコンセプトはすでに1940代にも存在していた。人間のような知能をもっている賢いコンピュータをつくれないかというのがそもそものAIの始まりである。しかし、初期のAIは性能が低く、人々の関心を引くことができなかった。ところが、2,000年代になって、状況が変わった。
コンピュータの技術が発達することで、ビッグデータという概念が登場し、ビッグデータはデータのなかから今まで人間が気付かなかった発見をもたらした。コンピュータ自身が物事の特徴やルールを学習することもできるマシーンラーニングという手法の登場である。そして、このマシーンラーニングはさらに外部のデータを自分で収集し、分析できるようになるディープラーニングに進化を遂げた。
一方で、一般のコンピュータではなく、演算スピードの速いスーパーコンピュータを活用した、大容量のデータを蓄積した大規模AIも登場している。以前のAIは1つひとつを教えないといけない小学生であったとしたら、大規模AIは自分で考えて解決策を見つけ出す大学生に例えることができる。自分で法則を見つけ出し、教え込まないことまで対応できるようになったAIはさまざまな分野で利用され始めた。
ところが、2023年、AIの歴史においてもう1つの変革が起きた。今までのAIはコーディング(プログラミング言語でコードを記載すること)ができる開発者しか活用できなかったが、新たな「生成AI」は人間の言語が理解でき、一般人でも簡単に活用できるようになった。生成AIは一般人もコンピュータに会話形式で指示をすると、AIは文章で回答をしたり、イメージ、動画などを作成してくれたりする。
生成AIの登場は、今後新しいビジネスモデルを誕生させ、ビジネスの世界を根本から変えて行くことになるだろう。まさに生成AI時代の到来である。生成AI時代の主役は、もちろん「チャットGPT」である。GTPはバージョン1からあるが、本格的に存在感を示すようになったのは、GTP-3からである。
以前のバージョンに比べ約10倍のパラメータ(ソフトウェアやシステムの挙動に影響を与える、外部から投入されるデータ)となり、 GTP-3は「‘こんなこともできるの?」というくらい性能が急激にアップした。その次のモデルがGPT3.5で、一番の特徴はコーディングができなくても、自然語で指示ができるという点である。
チャットGPTの旋風
チャットGPTは22年11月30日に初公開された。開発元は「OpenAI」という会社である。あるサービスが成功かしたかどうかは、ユーザ数が100万人に到達したかどうかで測る。
ユーザ数が100万人になるのに、ネットフリックスは3.5年、フェースブックは10カ月、インスタグラムは2.5カ月かかったが、チャットGPTはなんと5日しかかかっていない。1億人になるのにも、チャットGPTはわずか2カ月しかかかっていない。チャットGPTがどれほど、一般人にも広く受け入れられたがよくわかる。
(つづく)
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