鹿児島市議選 維新と参政党が初の議席を獲得
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任期満了にともなう鹿児島市議会議員選挙は、14日に投開票が行われた。投票率は40.70%で、前回2020年の選挙より3.38ポイント上がった。また、女性は過去最多の12人が当選した。当選者の内訳は、現職30人、新人15人。党派別の内訳は、次の通り。
市議会最大会派である自民党は21人を擁立。17人(現・職15、新人2)が議席を獲得したが、現職1人を含む4人が落選した。自民党派閥パーティー裏金問題や旧統一教会問題などが影響したとみられており、地元関係者は「予想される解散総選挙への影響もあり得る」と話した。
立憲民主党は現職1人が落選したが、新人3人を含む4人が当選し、1議席増やした。公明党は、6人が当選し、1議席増となった。共産党は、改選前の3議席を確保した。国民民主党は現職1人、社民党は現職2人が当選した。日本維新の会と参政党は、初めて議席を獲得した。
注目したいのは、既成政党に対する新興勢力としての日本維新の会と参政党である。ともに保守的傾向をもちつつ、自民党に飽き足らない層への訴求に力を入れている。
維新は本拠地である関西に比べて地方が弱いとされる。同党は、次期衆院選で野党第1党を目指しており、国会議員だけでなく地方議会への浸透を進めている。現在は、28日投開票の長崎3区補選に力を入れつつ地方議員の確保を進めており、鹿児島市議の誕生は大きな前進だろう。
参政党は同党所属の福岡市議や熊本県議をはじめ、地方議員や九州各県組織の支援を得ながら草の根活動に取り組んだ。
今回当選を果たした同党候補者は、鹿児島県内の公立小中学校で32年間教師を務めており、選挙中、祖父母と子どもたちが触れ合う日本の伝統的な生活の重要性を訴えた。薩摩藩時代の郷中教育(先輩が後輩を指導する地域教育)の流れがある鹿児島市で、子育て世代の共感を得たとみられる。鹿児島県内の南九州市に地方議員がいたことも大きい。
保守的地盤とされてきた鹿児島市で自民党候補4人が落選した一方、これまで議席がなく、大きな支持団体をもたない維新と参政党が議席を得たことは、自民党の既得権益重視に不満を持つ新しい政治を求める市民のうねりが出てきたといえよう。
【近藤 将勝】
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