市場縮小の罠を超える(2)
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庶民の「涙ぐましい」生活防衛
5月3日、天草から鹿児島県の長島町(出水郡)にフェリーで渡り、出水市から伊佐市を抜け、人吉市で1泊する計画だった。ところが松橋から天草に上陸するまで1時間半の渋滞であったことから計画を中断することにした。フェリーに乗船できない事態を考慮したからである。
そこで松橋に引き返し、人吉市に向かったのだが、これまた高速道路内(人吉市の先)で交通事故が発生して渋滞が発生、結局2時間かかった。
ゴールデンウイークなので、混雑するのはわかるが、どうも違和感を抱いた。あとでわかったのだが、今回の連休期間中における日本人の宿泊をともなう旅行は対前年比で2桁のマイナスだったのだ。
レストランにお客さんがいない
3日夕方、家族と合流した。2部屋に総勢5名で泊まる(5歳、3歳の子どもづれ)。車は70台ほど停まっていたから、1台に平均2.5名乗車していたとして、車の台数である70台を掛けると、単純計算で175名宿泊する勘定となる。
ここで嫌な予感を抱いていたが、すべて納得できた。我々は2時間近く酒を酌み交わし、料理を堪能したのだが、2時間の間にレストランからでてきたお客さんは35名しかいなかったのである。
翌日の朝食時も同様の光景を目にした。昨日の交通渋滞を経験した宿泊者は、早目にスタートするはずである。午前7時半から8時20分まで朝食をとったが我々を含めて30名余であった。
家族5名の1泊代総額は7万8,000円だったが、昨年11月に泊まったときよりも「かなり高額になった」という印象である。家族連れで2泊以上すると負担は大変なものになると確信した。
オーナーがぼやく
このホテルのオーナーとは長い付き合いであるが、こちらの予想通りの証言をしてくれた。「確かに宿泊数は予定通りだったのだが、飲食費の売り上げがさっぱりだった。夕食、朝食を省くお客さんが増加していたのには驚いた。食事の持ち込み、コンビ二での食事調達、外食などでコスト削減の努力をしているようだ。国内における庶民の生活が困窮しているのを初めて実感できた」とぼやくのである。
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