2024年11月14日( 木 )

市場縮小の罠を超える(5)「インバウンドの気まぐれさ」に左右される

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 地名で言うと西中洲に該当する。中央区天神1丁目と博多区中洲5丁目を挟んで那珂川が流れている。その中心部に島が存在していることに気づく人は稀である。その島には「フレンチ中華」レストランで一世を風靡した店もあった。

 この「フレンチ中華」レストランは2階にあったのだが、もともと、1階にも別のレストランが営業している。この1階レストランにインバウンド客が押し寄せ、群れをなしているのである。20日(月)午前10時半には40人を超える客が並んでいた。

 昨年2月から10月ころ、中洲・川端一帯のサラリーマンにとって、昼食の場を確保するのは大事であった。3、4店回ってようやく飯にありつけるという「昼食難民」の状態が続いていたのだ。インバウンド客が徘徊するために地域のサラリーマンが押し出されたのである。ところが今年になって様相に変化し始めた。インバウンド客の影響でいつも満席になっていた店に空席が出始めた。

 この店はこのコーナーでも登場させたことがあるが、昨年5月がピークであった。昼は午前11時には満席で、夕方の2時間の一息つける「余暇タイム」を経て午後8時半まで盛況だった。店長に直撃取材したところ、なにやら精彩を失った感じである。「いやぁ、売上が半減しました。原因はインバウンドの方々の気まぐれさです。押しかけてきた原因がよく分からないまま終始してきましたが、もう飽きられたのでしょう。どうすれば呼び込むことができるのか、さっぱりわかりません」と弱々しい声で話す。

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