市場縮小の罠を超える(7)人口減の究極原因は儒教か
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儒教2600年の歴史を有する3カ国
約2600年前、中国は河南省・山東省(現在の地名)を中心に小国同士の対立を繰り返していた。そこに孔子(山東省出身)が出現(同様の知識人・思想家は無数に存在していた)して人間の徳、尊厳、支配者の心得を説いていった。この教えを儒教という。この2600年前に体系化された儒教は中国から朝鮮半島、日本へと伝播されていった。中国の儒教は支配者側の勝手な都合に活用される思想の領域を脱することができず、一般の中国人の心のなかには定着しなかった。
朝鮮半島では幾多の政権が都合よく、勝手に儒教の規範を利用してきた。しかし、中国人よりも朝鮮半島の一般人は100倍、生活規範として儒教を生かしてきた。日本では朝鮮半島の一般人の10倍濃厚な「生きる手引き書」として儒教の教えは日常生活の規範として溶け込んでいった。であるから儒教を手本にした国家は中国・朝鮮半島(北朝鮮・韓国)・日本の3カ国とされている。ところがどうしたことであろう!この儒教を生活規範にしてきた3カ国は同様な「邪道な道」を選択し、実践することが明確になってきた。
家族存続の使命を放棄した3カ国
まず日本から振り返る。団塊の世代の1947(昭和22)年生まれは、260万人を超える。ところが一転した。2023年の出生者数は75万人と3分の1以下になっているのである。25年の人口推計では、死者152万人、出生者77万人であるから自然減の見通しは75万人(国立社会保障・人口問題研究所)。1年で現在の福井県の人口相当数が減ることになる。61年には人口減は103万人と現在の宮崎県の人口と同じ規模に達する。
韓国の友人が1週間前に来福した。韓国と日本の往来を頻繁にしてコンサルの実績を上げている。この友人には男女2人の子どもがいる。友人の家庭は、2人をアメリカに留学させた時が生活面において火の車であった。子どもたちはソウルに戻ってそれぞれ会社勤務、事業に従事している。2人とも「お父さん、お母さん本当にお世話になりました。結婚して孫をこの世に登場させます。喜んでください」という両親を嬉しがらせるような言葉を一言も発しない。友人は「孫にお目にかかることはあきらめた」と寂しそうに語る。
上海の友人は共稼ぎでマンションを2つ所有している。一人息子は45歳である。大学卒業後は社会人として元気に振る舞って、28歳でめでたく職場結婚をした。だが残念ながら3年で離婚した。息子は「呆然とした生活者」に転落して大手企業を退職した。その後は「フウテン生活」となり、稼ぎが皆無となった。だから友人がもっていた2つ目のマンションは息子に占拠された。「住宅ローンは私が払っている。孫に接することもあきらめた。息子がこんなにも覇気がないことには驚きだ」と諦観の念を露わにしている。
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