「インバウンドつかみ」の明暗
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中洲の一蘭は上手
中洲5丁目に一蘭の本社ビルがある。7月2日、昼食をとるために一蘭に隣接するビルにある鉄板焼き屋へ直行するが、繁盛している雰囲気ではない。一方、一蘭の玄関口には40名ほどのお客さんが立って並んでいた。大半はインバウンド客である。
同社の呼び込みは昼間だけではない。2日の午後8時過ぎ、中洲5丁目を歩く。往来に300人あまりの人が立ち止まって上を仰ぎ見ている。一蘭本社ビルの3、4、5階で赤色などの衣装を着た人たちが踊っているのである。調べてみたところ2016年から始めたイベントだそうだ。それを見物していた人のうち200人はインバウンド客とみられる。彼らの大半は一蘭のラーメンを食べるのであろう。インバウンドつかみのお手本だ。
精彩のない既存店
中洲周辺の屋台の大半では、お客さんの4割がインバウンドである。ところが既存の実店舗は精彩に欠ける。まず、ホテルのレストラン・バーをのぞいてみたところ、昼も夜も閑散としている。何か大きなイベントがあった夜にはバーが満席になることもたまにあるのだが。
料亭風の店も定期的に来訪するお客さんの確保が難しい。福岡では本格的な料亭は全滅状態。それに準ずる料亭も何か企画を打たないとお客さんの固定化を確保するのは難しい。また居酒屋も同様の状態である。
かつては280席という大きな店舗で一世を風靡し、福岡一有名となったある居酒屋からは、当時の面影が失われている。若者たちの「居酒屋離れ」の影響か。これらの既存業態の店にはインバウンド集客の検討が必要であろう。
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