旧統一教会解散命令・最高裁でも確定~離教2世「被害救済の本当のスタートライン」
最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)は22日付で、宗教法人法に基づき旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の解散を命じた東京高裁決定を支持し、教団側の特別抗告を棄却する決定を行った。裁判官4人全員一致の意見。
最高裁の決定は、教団の信者らが1973年から2022年までの間、不法な献金の勧誘によって多数の人に多額の財産的損害を与えたと指摘。こうした行為は、世界の国々のために経済的援助をすべきだという教団創始者(文鮮明)らの方針に基づいたもので「教団が組織的に関与して行われた」とし、法令に違反して公共の福祉を害したことは明らかだと述べた。
そのうえで、教団が不相当な献金勧誘を防止する実効的な措置をとらず、今後も被害が続く可能性が高いとし、解散により法人格を失わせることが必要と判断した。
3月4日の東京高裁決定で解散命令の効力が生じ、教団の清算手続きは始まっており、福岡県内の教団施設を含めて全国の約300カ所の教会や関連施設は、売却や賃貸契約解除などが進められている。
清算人の伊藤尚弁護士は5月20日、元信徒や被害者への弁済に向けた債権申告の受け付けを始めた。対象は信者や元信者、2世、相続人などで、申告期間は1年間。これまでに61人が申請を行っている。
全国霊感商法対策弁護士連絡会は「最高裁が特別抗告を速やかに棄却したことは歓迎すべきこと」とした一方で、被害者や宗教2世問題に取り組んできた専門家などから「遅すぎた解散命令」(塚田穂高・文教大学国際学部教授)との見解や「教団は解散したが、関連団体は残っており、新たな団体による被害が懸念される」などの声が聞かれた。
学生時代に教団の学生団体・原理研究会に参加していた県内在住の女性は「昔の話で思い出となっている」としたうえで「脱退したのは、交際していた彼氏の写真を取り上げられた(※教団は男女関係を禁止している)からで、目が覚めた」と述べ、「解散は当然」と語った。
旧統一教会の離教2世であるVTuberデビルさんは「解散は当たり前だが、喜ばしいことばかりでない」と指摘し、「これからが本当の被害救済のスタートライン。自民党が教団の活動を黙認してきたのは勝共連合の活動があったからで、旧統一教会の活動は継続しており、残余財産の問題など解散したから終わりではない」とコメントした。
最高裁の決定を受け、教団の広報渉外局は23日、「当団体としては、高裁決定の問題点を最高裁に訴えてまいりましたが、聞き入れられることなく抗告棄却決定が下されたことは大変遺憾」としたうえで「今後、信徒およびそのご家族に対する人権侵害が生じないように、皆さまに心よりお願いいたします」とのコメントを発表した。だが、SNSにおいて現役信徒や教団を擁護する一部保守らによる裁判所や、被害者救済に取り組む弁護士、離教した元信徒などに対する攻撃的な投稿は続いており、判決でも指摘された多数の被害を真摯に反省する姿勢が見られない。問題の是正が進むのか、今後の教団や支持勢力の動向を注視する必要がある。
【近藤将勝】








