不動産賃貸仲介管理業界を代表する団体として知られる全国賃貸管理ビジネス協会(全管協)が揺れている。これまで当社では、全管協名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が、自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があること、そして、全管協名誉会長として政府与党幹部と面会した際、自身が経営する企業が販売権を有するごみ処理プラントの営業活動を行ったことなどを報じてきた。
15日発売の『週刊ポスト』(小学館)2026年6月26日・7月3日合併号において、「茂木外相が総裁選ですがった『自民党員水増し団体』」とのタイトルで、24年の自民党総裁選に際して、現在、高市政権の外務大臣を務める茂木敏充氏が、全管協名誉会長でその職域支部である自民党ちんたい支部連合会の会長を務める高橋誠一氏に、東京都内のある高級飲食店で、総裁選で全管協がもつ自民党員票の一部を自身に投票してくれるよう依頼していたことや、当社が報じてきた自民党員の組織的な獲得に関する問題を3ページにわたって報じている。
高橋氏を持ち上げる三好氏
同誌の報道において自民党ちんたい支部について次のように言及されている。
「同支部連合会は不動産管理会社の全国団体・全国賃貸管理ビジネス協会(全管協)や不動産オーナー(家主)の政治団体「全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)」とその政治団体(ちんたい政連)などを母体とする職域支部で、党員数は約4万人とされる」。
全管協に加盟する複数の企業代表者は、「自民党ちんたい支部は、全管協だけでなく、不動産オーナー(家主)の団体であるちんたい協会やその政治連盟であるちんたい政連と関係が深く、3者はほぼ同一の組織といってよい」と語ったが、2018年に全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)は、設立50周年記念式典と祝賀会を開催し、多くの自民党議員が出席している。
ちんたい協会のホームページを確認すると、18年5月22日に明治記念館で設立50周年記念式典と祝賀会を開催しているが、協会が発行した50周年記念誌に興味深い内容が確認された。
1つは、連載でも紹介してきた全管協の前会長で九州支部長・三好修氏がちんたい協会の会長として挨拶を述べていることだ。挨拶はちんたい協会の会長としてごく一般的な話であるが、挨拶のなかで三好氏は「(全管協の)高橋元会長が大阪から東京への本部移転、公益社団法人への移行を決断し、さらなる会員拡大と活動財源の確保に尽力され」と高橋氏をもちあげているが、ちんたい協会にも高橋氏が強い影響力を有することがうかがわれる。
石破氏の依頼で自民党員獲得に奔走
2点目に高橋氏の祝辞に、自民党員獲得について言及があることだ。高橋氏は「平成26年には、ちんたい議連の石破会長(当時・幹事長)に自民党員獲得を依頼され、47都道府県に職域支部を置き、自民党ちんたい支部連合会を設立致しました。現在約2万5,000名の党員を擁しております」と述べたうえで「これからも、ちんたい協会と連携し賃貸住宅政策の発展に尽力してまいります」と結んでいるが、石破氏から党員獲得を依頼されたことを明らかにしたうえで、2万5,000人という党員数を紹介したのは、式典・祝賀会に出席した自民党議員のみならず、加盟企業の代表者らに、その政治力を誇示したかったのだろうか。
3点目に安倍元首相の祝電が掲載されているが、出席はなかった点である。ちんたい協会と関係が深い自民党ちんたい議連の議連会長は安倍氏のライバルであった石破氏である。
ちんたい協会の記念式典・祝賀会が開催された18年は、自民党総裁選が行われた年でもあり、現職の総裁・安倍晋三氏と、石破氏の一騎打ちであった。2万5,000人という党員数は石破氏にとって非常に心強い組織票であったことは間違いないだろう。
しかし、連載で紹介してきたようにその陰で自民党員集めに奔走する全管協の加盟企業やちんたい協会のオーナーの苦労は並大抵のことではなかった。そのことを高橋氏や石破氏は今どのように考えているのだろうか。
【近藤将勝】









