2024年11月26日( 火 )

埋設管工事の専門分野に特化、技術の継承できる環境へ期待

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(株)原通信建設 代表取締役 原 雅彦

専門分野に特化した事業を展開

haratuusin 生活に欠かせない電気エネルギーや通信。これらは、送電線や通信線として電柱に設置された『電線』によって各家庭に送られてきた。電柱での送電の利点は、電線に対する抵抗値が大きい大気で各電線が絶縁されていることと、人を遠ざけることで安全が確保されていることなどがある。電力や通信は現在でも、電柱からのエネルギー供給が主体となっている。しかし、都市部では近代化が進み、電線や通信ケーブル、都市ガス、水道管などのライフラインを地下の「共同溝」に収め集約化が図られている。とくに電線、通信ケーブルなどにおいては、電柱で張られた電線で外観を損なっていることや、ビルの間を縫うように電線が張られており危険でもある。地下に埋設することによって危険度を減らし、都市景観の向上にも寄与するのだ。

 (株)原通信建設は土木工事分野に分類されながら、電気、通信の埋設管の工事に特化してきた専門工事業者である。設立は1997年9月、同社設立から原雅彦社長が管路工事を手がけ、専門工事の下請工事業者として名を馳せる。このニッチな分野だけに、高い専門性を要するのはたしか。土木工事業を行いながら、電線やケーブル線などの保護管を地中に埋設する作業を手がける。だが、国家資格の電気工事の免許も要らず、縛りのない土木工事の免許さえ保有していれば何ら問題はない仕事であるため、埋設工事を1回でも経験すれば、施工工事業者と新規参入してくる可能性が高い。細かい仕様や特別な施工などの要領は得ておらず、施工品質が後回しにされているのが現状のようだ。

技術者の高齢対策と若手へ技術の継承へ

 専門技術を持つ同社だけに、高い技術の継承は大きな課題である。高い品質を保つために、先輩から後輩へ専門工事としてのプライドを持った仕事を手がけてきた。現在もその基本方針は変わらない。それほど、長い実績を積み重ねてきた弊社と他社とでは、品質管理に大きな隔たりがある。

 現在、同社の社員は26名。そのほとんどが30代で構成されている。同社の仕事は屋外が基本であり、まさに体力勝負の仕事を行っていると言えよう。同様に知識を重ねた仕事と認識し、高い品質向上に寄与するはずとしている。技術の向上を底上げするためにも、机上の勉強も必要だとして、社外の社員教育を受けさせ、土木施工管理者などの国家資格取得も会社が全面的サポートを行っている。もちろん、大型免許の取得などの技術的なことも支援している。技術者ゆえにスキルアップは自分自身で行うべきと自主性に任せた業者も多いはずだ。

 「今まで支えてくださった技術者もこれから高齢化となっていくでしょう。我々はその高い技術を習得し、継承していかないといけません。そのためは、自身が自ら習得する意気込みは必要ですが、弊社とともに技術向上を目指していければと思います。またこれからは(専門技術者の)高齢化にともなう行政のサポートも必要になっていくのではないかと感じています」と原社長。
 発展を続ける福岡を維持するためには、高い技術と安定した品質、そして高い意識を持った人材が必要だろう。同社は、遠くを見据えた事業の展開を行う専門工事業者の1社とも言えるのでないか。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<COMPANY INFORMATION>
(株)原通信建設
代 表:原 雅彦
所在地:福岡市南区野多目1-11-2
設 立:1977年9月
資本金:5,000万円
TEL:092-512-1775

<プロフィール>
原 雅彦(はら まさひこ)
原通信建設(株)代表取締役。社会貢献に関してさまざまな取り組みを行う。バイタリティ溢れる経営者として一目置かれている。

 

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