消費税増税で大不況に突入した日本経済
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「消費税増税の影響軽微」は真っ赤なウソだと指摘した2月17日付の記事を紹介する。
日本経済は深刻な不況に転落している。2月17日に発表された昨年10-12月期のGDP統計で、実質GDP成長率が前期比年率でマイナス6.3%となった。マイナス幅は2014年4-6月期のマイナス7.4%以来の大きさになった。
昨年10-12月期は国内需要の成長率がマイナス8.0%になった。注目されるのは国内需要の柱が大幅マイナスを記録したこと。
民間最終消費支出は前期比年率マイナス11.0%の減少になった。民間設備投資は前期比年率マイナス14.1%の減少になった。大不況の到来である。主因はもちろん消費税増税である。
消費税増税が実施されるたびに「消費税増税の影響軽微」というキャンペーンが展開されてきた。今回も同様にキャンペーンが展開された。
日銀の黒田東彦総裁は消費税増税の影響について、どう発言してきたか。日銀の黒田東彦氏は昨年9月19日の記者会見で、10月の消費税率引き上げについて「現時点で大きく経済が影響を受けるとはみていない」との認識を示し、政府のキャッシュレス決済のポイント還元制度などで「数字だけみると、ほとんどマイナス効果がないぐらいになっている」と指摘した。
昨年11月19日の参院財政金融委員会で日銀の黒田東彦氏は、10月に実施された消費税増税について、「引き上げ幅が前回に比べて小さく、軽減税率や幼児教育の無償化などの措置が実施されているので、影響の大きさは前回増税時よりも小幅とみている」と発言した。さらに、本年1月21日の記者会見では、「日本経済を支える個人消費は昨年10月の消費税増税後に落ち込んだが、減少は一時的で、増加基調は維持されている」と述べた。
昨年10-12月期の民間最終消費支出は前期比年率マイナス11.0%の減少を示した。この数値のどこに、「増加基調は維持されている」の傾向が含まれているのか。
安倍首相が消費税率を2019年10月に8%から10%に引き上げることを具体的に指示したのは2018年10月15日である。その前日にも黒田氏は消費税増税について発言している。
2018年10月14日、訪問先のインドネシア・バリ島で開かれた討論会で黒田氏は、「消費税が10%に引き上げられても、経済への影響は大きくない」と発言している。
日本銀行法は通貨及び金融の調節の理念について、
(通貨及び金融の調節の理念)
第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。と規定している。
日本銀行は国民経済の健全な発展に責任を負っている。黒田東彦氏は国民経済の健全な発展を指向していない。単に財務省の手先となって消費税増税を推進しているだけだ。
安倍内閣の恣意的な人事によって、日銀は財務省の支配下に置かれてしまった。財務省の出身者が日銀トップに居座り、消費税増税を推進している姿が浮かび上がる。
※続きは2月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「財務省の手先に過ぎない日本銀行黒田東彦氏」で。
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