元総合商社駐在員・中川十郎氏の履歴書(11)医療関連ビジネス(後)
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日本ビジネスインテリジェンス協会会長・中川十郎氏
(5)オリンパス・特別委員会委員任命
世界の「内視鏡」シェア70%を占めるオリンパス(株)が、外国から買収されることを防ぐための特別委員会を創設することになった。当時、東京経済大学教授をしていた筆者は、友人の推薦で同委員会委員に任命された。委員のメンバーは、筆者がコロンビア大学に留学して以降親交がある同大学教授・ロバート・マンデル氏(ノーベル経済学賞受賞)、元JETRO理事長・豊島格氏(小泉元首相の義兄)など実績ある人々だった。
長野や会津、さらに中国・深圳にあるオリンパス工場の見学などで深めた知識や経験が、その後の医療ビジネスに非常に役立った。その後、オリンパスの不祥事が発生したため、特別委員3人は、2期(4年間)で退任した。
(6)国際医療融合協会、アーユルヴェーダ融合医療協会、国際伝統・新興医療融合協会を創設
ニューヨーク駐在時にご縁ができた、ニューヨーク医科大学臨床外科教授・広瀬輝夫氏には、35年以上にわたり日本ビジネスインテリジェンス協会名誉顧問などに就任してもらい、親しく指導を受けた。
インド駐在以来、商社マンとして長年の医療分野の知識や経験を買われて、広瀬先生にはかわいがってもらった。国際融合医療協会、アーユルヴェーダ融合医療協会は、医師を中心に運営されてきた組織だが、広瀬先生から理事の推薦を受け、医療関係の勉強と経験の機会を得た。とくに、広瀬先生が設立に心血を注いだ国際伝統・新興医療融合協会では、理事長として広瀬先生の考え方に沿って運営するよう指示を受けた。創設以来、計3回の国際大会を開催してきたが、本年6月に開催する予定だった第4回大会がコロナ禍のために延期したことは誠に残念だ。
広瀬先生は昨年11月15日、ニューヨークにて93歳で亡くなられたが、先生の遺志をついで「これからも、融合医療の研究に尽力したい」と決意を新たにしている。
(7)国際医療協力
これまで、インドやスリランカのアーユルヴェーダ、ヨガ、マケドニアのハーブなどを使った伝統医療、タイのアーユルヴェーダ、ネパールの薬草、キューバの伝統医療など、医療分野で145カ国を訪問してきた。世界的な心臓外科医で、世界の伝統医療研究の第一人者である広瀬先生の融合医療研究を、これからも継続していきたい。
(つづく)
<プロフィール>
中川 十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)関連キーワード
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