民・維では腐り切った日本政治刷新できない
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NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。本日は、今の国会審議の場には「安保法制=戦争法案」成立へのシナリオを強行する安倍政権へ反論できる政党がいないことを強く訴える7月30日のブログを紹介する。
昨日の参議院平和安全法制特別委員会で、生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎氏が質問に立った。安倍政権を問い詰める迫力ある質疑で、安倍政権はしどろもどろの対応に終始した。
こうした緊張感のある国会審議が求められている。
安倍政権は、日本が外国から武力攻撃される、あるいは、日本と密接な関係にある国などが外国から攻撃された場合の対応策として、「安保法制=戦争法案」を国会に提出してその成立を図ろうとしている。
外国からの武力攻撃等について「仮定」を設定し、その「仮定」する事態に対処するための方策について立法措置を講じるというものである。山本太郎氏は、この戦争法案推進の姿勢と、原発再稼働の問題を比較した。北朝鮮などが、日本に向けてミサイルを配備している。核兵器を搭載したミサイルも日本に向けて配備されていることを政府答弁によって確認した。
そのうえで、鹿児島県にある九州電力川内原発が外国からの武力攻撃により、核ミサイルで攻撃された場合の対処について質問したのだ。これに対して、安倍政権は、「そのような仮定に基づく事態についての対処を検討はしていない」と答弁した。
これを山本太郎氏は、「ご都合主義」だと強く批判した。
安倍政権も原子力規制委員会も何も反論できなかった。
この「ご都合主義」こそ、安倍政権の基本行動様式である。TPPにしても、安倍晋三自民党は、2012年12月の総選挙の際に、「国の主権を損なうようなISD条項には合意しない」ことを公約として明示している。
いま交渉しているTPPには、紛れもないISDが盛り込まれている。
「国の主権を損なわないISD条項」など存在しない。
ISD条項は、もれなく「国の主権を損なうようなものである」から、自民党は公約で、「ISD条項に合意しない」と明記したのである。TPPにISD条項が盛り込まれるなら、日本のTPP参加はあり得ない。これが、「公約を守る」ということだ。沖縄では、翁長雄志氏が「辺野古に基地を造らせない」を公約に掲げて知事に選出されたが、安倍政権は粛々と、「辺野古に基地を造っている」
何よりも重要なことは、本体工事に入らせないことだ。本体工事に入るには、「事前協議」が必要である。安倍政権は「事前協議」のための書類を沖縄県に提出した。仲井真前知事が出した「埋め立て申請承認」に基づく措置だ。
安倍政権は書類を提出して「協議」を求め、3週間もしたら沖縄県が「協議に応じない」として、本体工事に入る構えである。だから、沖縄県は提出書類を受け取ってはならない。そのためには、「埋め立て承認の撤回または取消」が必要不可欠である。「埋め立て承認の撤回または取消」を行ってしまえば、国が提出する書類を受け取る必要がなくなる。
逆に言えば、「埋め立て承認の撤回または取消」をするまでは、国が提出する書類を受け取らないことができない。
翁長氏は、国に書類の撤回を求めているが、国が撤回しない限り意味がない。辺野古問題の核心は、翁長県政が本体工事着手を阻止できるのかどうかである。7月下旬までに埋め立て承認の撤回・取消を行っていれば、書類を受け取る必要がなく、国は本体工事に着手できなかった。しかし、翁長知事の対応は、国による本体工事着手実現をサポートするものである。
本体工事が着工されてしまうと、この問題の方向は大筋で確定してしまう。
そうなるのを見届けてから、埋め立て承認を取り消すとの筋書きが用意されているのだと思われる。※続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1204号「民・維では腐り切った日本政治刷新できない」で。
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