終末時計一気に進めたサミット
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、5月22 日付のNATO、ウクライナも参加したG7広島サミットに関する記事を紹介する。
国連に加盟する国の多くがロシア非難決議に賛成した。昨年3月2日の国連総会緊急特別会合が「ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議」を採択。賛成した国は193カ国中の141カ国、賛成に回らなかった国は52カ国。圧倒的多数が非難決議に賛成したように見えるが、それぞれの国の人口を合計すると、賛成国が42%、非賛成国が58%だった。
G20で対ロシア経済制裁に加わっている国は10カ国(EUを1カ国として)。経済制裁を実施していない国も10カ国。しかし、人口比では制裁参加国が19%、制裁非参加国が81%(EUを人口最多国スペインの人口で計算)。欧米の主張は世界の声でない。欧米の声に過ぎない。
NATOという軍事同盟がある。欧米とはNATOのこと。1989年に冷戦が終焉し、その後、東西ドイツが統一された。このとき、米国はNATOを1インチたりとも東に拡張しないことをソ連に確約した。NATOの東方拡大はロシアにとっての軍事的脅威。ロシアに隣接する国がロシアに向けて核弾頭を配備することはロシアの安全保障を脅かすもの。
かつてソ連がキューバにミサイルを配備しようとした。これに猛烈な反応を示したのが米国である。キューバへのミサイル配備は米国の喉元に匕首を突き付けるものだと批判した。米国が核戦争を辞さない姿勢を示した。いわゆる「キューバ危機」だ。
米国に隣接する国にミサイルが配備される。これは米国の安全保障上の重大な危機を意味する。結局ミサイル配備は中止され、米ソ核戦争の危機は回避された。NATO東方拡大、ウクライナのNATO加盟、ウクライナへのミサイル配備は「キューバ危機」と同等の意味を有する。
冷戦終結を背景にソ連は東側の軍事同盟である「ワルシャワ条約機構」を解体した。西側がNATOを解体することを前提としたソ連の対応だった。ところが、米国はソ連との約束を破った。NATOは膨張に次ぐ膨張を重ね、当時の16カ国体制が現在は31カ国体制に変化した。
※続きは5月22 日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「歴史上最低最悪のサミット」で。
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